2012 Fiscal Year Research-status Report
建築業従事者における騒音ならびに有機溶剤ばく露と職業性難聴に関する追跡調査研究
Project/Area Number |
24590833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
久保田 均 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 有害性評価研究グループ, 主任研究員 (80415968)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 労働衛生 |
Research Abstract |
以前より調査コホートとして確保している某県建設国民健康保険組合員について、同組合が毎年実施する定期健診時に、我々が配布・回収・解析を行っている質問紙調査票をもとに聴力低下の有訴者を抽出し、その背景(職種・職歴・生活習慣等)の把握を行った。 一方で、この調査コホートを対象とする当該年度における別件の調査研究により、騒音工具使用作業者と聴覚障害との間の因果関係が示唆されたことにより、本研究では有機溶剤使用作業者についての調査に的を絞ることとした。前述の質問紙調査票より有機溶剤使用職種者を抽出し、聴覚障害との関連を見たところ、騒音暴露によるものほどの影響は見られなかった。しかしながら、やはり高齢作業者ほど聴覚障害の有訴率が上昇しており、これが加齢によるものであるのか、或いは有機溶剤への長期暴露によるものであるのかを検証する必要がある。そのために、次年度以降は作業現場の環境測定等も含め、詳細な調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度から調査対象集団を確定し、騒音・有機溶剤に関する現場調査も含めて一定の調査データを把握する予定であったが、別件の共同研究者としての立場や現所属機関におけるルーチン業務へエフォート率を傾ける必要があったことから、質問紙調査票等によるデータ集計・解析を行うに止まってしまった。 そのため、第2年次では学会等への成果発表も見据えた調査を行うことを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度から予定していた作業現場等の環境測定等が、諸々の理由により実施することが出来なかったことから、今年度は連携研究者らと共に実施したいと考えている。初年度から繰り越した予算については、当初の執行予定に従って作業現場調査に必要な機器や消耗品、旅費等に充て、第2年次分として計上していた研究費については、当初予定よりも更に調査箇所を増やしたり、或いは最終年度にも一部現場調査を行うことで執行することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度執行研究費で購入を予定していた現場調査用機器ならびに各種消耗品の調達を行うと共に、次年度研究費では調査先への謝金も計上する予定である。謝金に関しては、当研究所の旅費規程に従うものとする。また、今回の調査では個人情報の取り扱いも必要となるため、本研究テーマに関する各種データ解析を行うための専用ノートパソコンを購入したいと考えている。 具体的な調査としては、騒音ならびに有機溶剤に関する作業現場サンプリング測定を行う一方、作業者の聴覚状況については質問紙調査による自覚症有訴把握に加え、オージオメーターを用いた詳細な聴覚測定の実施を考えている。 なお、旅費については、主な調査先が中部地方から近畿地方にかけての地域であることから、一人当たり30,000円/回程度を見込んでいる。
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