2013 Fiscal Year Research-status Report
睡眠呼吸障害による認知機能悪化のエピジェネティクス解析
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24590882
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 範尚 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00621757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252679)
大石 充 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50335345)
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Keywords | 睡眠呼吸障害 |
Research Abstract |
本研究の目的は①日本人を対象として睡眠呼吸障害(SDB)の心血管疾患や認知症への関与を前向きに検討すること②持続陽圧呼吸(CPAP)療法の心血管疾患や認知症への治療効果を前向きに検討すること③認知症発症・進行時の遺伝情報の発現制御(エピジェネティクス)について詳細な検討を行うことである。 現在、当院への入院患者を対象として簡易睡眠モニターと終夜睡眠ポリソムノグラフィーを用いてSDBを評価するとともに、採血・採尿などによる危険因子の評価、心機図・超音波検査などを用いた動脈硬化病変・心血管病変の評価、心理検査のバッテリーを用いた認知機能・総合機能評価、握力・歩行速度検査・重心動揺検査などによる筋力・身体能力の評価を行い、followしている。 認知機能が軽度低下している睡眠呼吸障害患者でも簡易モニターや終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査が可能であることを確かめており、臨床上必要な患者にCPAPを導入し、24時間自由行動下血圧測定での血圧変動patternなどを含めた評価も行っている。エピジェネティクスの解明についても取組中である。心血管疾患や認知症への関与、CPAPの治療効果などを前向きに検討している。CPAPの導入により夜間血圧が心血管リスクが高いtypeからリスクが低いtypeに変化することを確かめている。また、SDBに関する各計測法と動脈硬化の進行度との関係や、高齢者の身体能力とSDBの重症度の関連などを評価している。現時点での横断研究の成果を学会などに発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近隣で睡眠呼吸障害に対して治療を行っている医療機関が急増し、紹介患者が予想より少ない状態が続いた。エピジェネティクスの解明に関しては絞り込みが不十分である。 CPAPの導入に関しては想定よりも導入の対象は多かったが、不快感などによるCPAPの脱落率が予想より高いという問題点がある。
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Strategy for Future Research Activity |
受診患者数・紹介患者数が少ないことに関しては、当科で睡眠呼吸障害の診断・加療を行っていることは少しづつ周知され、紹介患者は増加傾向にある。さらに、研究会での講演や、学会での発表、論文の掲載などを行うことにより、さらなる増加を目指す。 CPAPの脱落率の問題に関しては、2014年月から専門外来を設けて外来followの時間・回数を増加することによって、患者の希望・不満にきめ細かく対応し、継続率を上げていく方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予想・予定していたよりも検査数が少なかった。 次年度は本年度よりも睡眠ポリソムノグラフィーの検査数や検体数が増加すると見込まれ、そのために使用する計画である。
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Research Products
(2 results)