2014 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠呼吸障害による認知機能悪化のエピジェネティクス解析
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24590882
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 範尚 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00621757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252679)
大石 充 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50335345)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 閉塞性睡眠時無呼吸 / 筋力 / 身体能力 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者のADLやQOLにおいては、心血管疾患などの身体疾患だけでなく、認知機能・抑うつ状態などの神経心理機能や筋力・歩行能力などの身体機能も大きな影響を及ぼす。睡眠呼吸障害(SDB)や、その一形態である閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は心血管疾患の発症進展において重要な役割を果たしているが、神経心理機能や身体機能へ及ぼす影響については不明なことが多い。 我々はSDBやOSAなどが疑われる患者を対象に①ポリソムノグラフィによる睡眠プロファイルの評価と心血管合併症、認知機能、抑うつ状態、筋量、筋力、身体能力などの評価を行い、関係と機序を解明する横断研究②適応がある患者に持続陽圧呼吸(CPAP)の導入を行い、臨床パラメーターの変化・改善を評価する縦断研究③認知機能低下や筋力・筋量低下を呈するSDB・OSA患者における神経心理機能や身体機能の低下とエピジェネティクス変化の関係を解明する研究を行っている。 横断研究の結果、●高血圧患者においてOSAの重症度が左室拡張能などの心機能と関連する●OSAを有する高齢者において筋力や身体能力の低下とOSAの重症度が関連することなどを明らかにした。特に後者は今までにほとんど報告されていない。中途覚醒や交感神経活性亢進、低酸素、酸化ストレス、炎症などが問題なのか、それ以外の要素が関係しているのかを血液検体などから検討中である。CPAPを用いた縦断研究においては継続使用者を追跡しているが、現状では比較群間で年齢や肥満といった交絡因子を排除しきれておらず、症例数を積み上げている過程である。また、SDBやOSA患者のエピジェネティクス解析において、認知機能低下や身体機能低下をもたらす変化を現時点では見いだせていないが、今後、DNAメチル化などの解析以外にmicro RNAの解析を行うことにより、これらの機序の解明を図りたいと考えている。
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Research Products
(4 results)