2013 Fiscal Year Research-status Report
高齢認知症患者における高齢者タウオパチーの臨床的分離同定に関する研究
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24590894
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
嶋田 裕之 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90254391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安宅 鈴香 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40549755)
渡邊 恭良 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144399)
三木 隆己 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90174002)
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Keywords | PiB陰性認知症 / アミロイドPET / アルツハイマー型認知症 / 高齢者タウオパチー / 嗜銀顆粒性認知症 / 神経原線維変化型認知症 |
Research Abstract |
脳内の老人斑を画像化する手法としてPiBを用いたアミロイドイメージングが開発され、我々は、その成果から病歴や画像検査などの臨床的除外診断でアルツハイマー病と診断した患者の中に、PIB-PETが陰性で脳内にアミロイドの蓄積が証明されない患者が存在することを見いだした。我々はこれらの患者群をPIB陰性認知症と名付け、その髄液バイオマーカーの特徴からアルツハイマー型認知症とは異なる背景病理をもつ患者群である可能性を指摘した。そしてさらなる研究の結果PIB陰性認知症患者の背景病理として、高齢者タウオパチー(嗜銀顆粒性認知症と神経原線維変化型認知症)や前頭側頭型認知症が含まれるという確証を得るにいたった。先行研究では年齢を制限せずに研究を行ったが、高齢者タウオパチーはその病名の通り高齢者に多く認められる疾患である。そのため本研究では対象患者を80歳以上の高齢者として、臨床的にはアルツハイマー型認知症と診断された患者にアミロイドイメージングを行った。昨年までの研究によって見いだされたPIB陰性認知症患者は15例であった。それらのうち高齢者タウオパチーが疑われる患者は10例であった。本研究ではこれらの高齢者タウオパチーが疑われる患者をさらに蓄積し、その臨床像から検討し、どのような特徴を有するか、種々の検査結果はどのような結果を示すかを検討するものである。いくつかの他施設からの先行研究の結果からは、側頭葉内側、前方海馬や迂回回に萎縮を認めると嗜銀顆粒性認知症が疑われるため、それについて検討をする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年までの研究で、80才以上の高齢認知症患者に対してアミロイドイメージングを行えた患者数は25人であった。それらの患者は物忘れが主体であり、旧AD診断基準であるNINCDS-ADRDAに基づいてprobable あるいはpossible ADの診断となった患者である。物忘れが主体であってもFDG-PETや頭部MRIにて前頭葉の糖代謝の低下が認められ前頭側頭葉型認知症(FTD)が疑われる症例や、また臨床的にレビー小体型認知症(DLB)が疑われる症例は除外している。それら25例の患者のうち15例60%はアミロイド陽性でアルツハイマー型認知症と考えられたが、10例はアミロイド陰性であった。それらの患者の男女比は、陰性群では、男性6例、女性4例で男性が優位であったが、アミロイド陽性の15例では、男性3例に対し女性が12例と有意に女性が多かった。嗜銀顆粒性認知症ではMRIやFDG-PETで左右差を認める例が多いと報告されているが、今回のアミロイド陰性の10例のFDG-PET所見では左右差を認める例が多く認められた。しかしMRIにおける海馬萎縮は10例中8例で認めたが、左右差のある例は2例しか認めなかった。一方FDG-PETの解析では、このアミロイド陰性10例中いわゆるアルツハイマー型認知症パターンを示す症例が半分の5例において認められた。これらのことからこれらアミロイド陰性患者群をFDG-PET所見やMRIで特徴付けることは困難であり、それ以外の方法を考慮すべきと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は順調に症例のentryが進んだ。昔は年だからとあきらめられていた80歳以上の高齢者でも、認知症の精査加療を求めて病院を受診するケースが増えている。またテレビなどのマスコミでアルツハイマー型認知症の原因がアミロイド蓄積であると報じられ、患者や家族の理解度も進み、積極的にアミロイドイメージングを希望する家族も出てきている。そのため今後も積極的に外来にて、スクリーニング検査を行いアルツハイマー型認知症が疑われる患者にアミロイドPETを施行する予定である。そのため本年度も昨年同様研究の推進が期待できると思われる。 また来年度は同時に採取している髄液バイオマーカーの結果も合わせて解析しさらなる特徴を見いだしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度は、他の助成金を獲得することができ、それによって予定した金額を支出したので、本経費での支出が生じなかった。 来年度は計画通りに支出する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A case of anti-N-metyl-D- aspartate receptor encephalitis with Multiple Sclerosis-like demyelinated lesions2013
Author(s)
A.Takeda1, H.Shimada, A.Tamura, M. Yasui, K.Yamamoto, K.Itoh, S.Ataka, S. Tanaka, M.Ohsawa, H.Hatsuta, H.Sakamoto, M.Hirano, S.Ueno, Y.Nakamura, T.Tsutada, T.Miki
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Journal Title
Multiple Sclerosis and Related disorders
Volume: 6
Pages: 391-397
Peer Reviewed
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