2014 Fiscal Year Annual Research Report
STn synthaseを標的とした転移性胃癌に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
24590921
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 康史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80343383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 理修 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10336399)
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
平川 昌宏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50561023) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | STn抗原 / 胃癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌は、未だ死亡率の高い癌の一つである.その大半は、転移を有する進行胃癌の状態で診断されることから、根治手術の適応とならず効果的な治療法も確立していないため5年生存率は2~15%と予後不良である. 癌細胞において糖鎖の合成異常が生じることが知られている. なかでも、Sialyl-Tn抗原(Neu5Acα2 -6GalNAcα1-O-Ser/Thr)は、STn抗原、CD175sとも表記される単純ムチン型糖鎖抗原であり、serineもしくはthreonineとGalNAc が結合したTn 抗原がシアル化され生成される.正常細胞では、GalNAcに糖鎖がOグリコシド結合し、これを基盤として糖鎖が伸長し様々な糖鎖が合成される.しかし、癌細胞で見られるGalNAcのシアル化は、Oグリコシド型の糖鎖の伸長を効率的に遮断する. 従って、STnは正常細胞には発現せず胃癌、大腸癌、卵巣癌、乳癌、膵癌など様々な癌腫で強く発現し、癌の浸潤や転移とも強く相関すると報告されている. 実際に、血清STn値は癌の悪性度や転移能を示す予後因子としても使われている.STnの生成は、主にserineもしくはthreonine残基であるTn 抗原にシアル酸をα2-6結合させるシアル酸転移酵素であるST6GalNAcⅠによって行われる.そこで、今回我々はST6GalNacⅠを標的とする胃癌抗転移治療の開発を試みた.まず、in vitroの検討においてST6GalNacⅠの発現をsiRNAで抑制したところ、胃癌細胞の増殖能、遊走能、浸潤能が強く抑制されIGF-1の産生とこれに関わるSTAT5bのシグナル伝達経路が抑制されることを示した. また我々は、マウスの胃癌細胞腹膜播種モデルに対してST6GalNAcⅠsiRNA-liposomeを腹腔内投与することにより、癌の転移抑制と生存率の改善が得られることを示し、ST6GalNAcⅠは胃癌の転移に対する治療標的になる可能性を明らかにした.
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] RNAi-mediated gene silencing of ST6GalNAc I suppresses the metastatic potential in gastric cancer cells2014
Author(s)
Tamura F, Sato Y, Hirakawa M, Yoshida M, Ono M, Osuga T, Okagawa Y, Uemura N, Arihara Y, Murase K, Kawano Y, Iyama S, Takada K, Hayashi T, Sato T, Miyanishi K, Kobune M, Takimoto R, Kato J.
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Journal Title
Gastric Cancer
Volume: 23
Pages: epub
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant