2012 Fiscal Year Research-status Report
HCV培養系を用いたI型・III型インターフェロン不応性機構の解析
Project/Area Number |
24590960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大岡 真也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (90361691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 靖浩 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座教授 (00422692)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10175127)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HCV / Cardif / IFNλ / IL-6 |
Research Abstract |
(1)HCV感染では持続感染による高率な慢性肝炎への進展が大きな問題であるが、ウイルス蛋白による自然免疫応答の阻害がその一因と考えられている。我々はHCVのNS4B蛋白がNS3/4A蛋白と同様にRIG-I依存性のIFN応答を抑制することを報告したがその機序は不明であった。本研究では、NS4BとRIG-I依存性IFN発現経路のシグナル分子として近年同定されたSTINGとの蛋白相互作用の解析を行い、NS4B蛋白がSTINGに直接結合し、Cardif/STING間の結合を遮断することによってNS3/4Aとは独立かつ協調的にRIG-I依存性IFN-β活性化シグナルを抑制する事を明らかにした。このことは、HCVが複数の自然免疫回避機構を有する事を示唆しており、HCVの持続感染のメカニズムの解明に寄与する重要な成果と考えられる。 (2)HCVに対する新規DAA製剤導入後も宿主のインターフェロン不応性は難治の主因となる。我々は、テラプレビル+ペグインターフェロン+リバビリン3剤併用療法施行例94例(年齢27 -79歳 (59歳)、 男性56例/女性38例)において解析を行い、I型・III型インターフェロン応答系のJAK-STATシグナルを抑制するSOCS3の上流分子であるIL6の血清レベルと治療効果との関連を解析した。その結果早期抗ウイルス効果不良例では、治療前および治療中の血清IL6値が高く、治療抵抗性に関連していることが示唆された。さらに、インターフェロン抵抗性HCVであるHCVコア変異株感染例では、テラプレビル+ペグインターフェロン+リバビリン3剤併用療法中のIL6が高値で推移しており、インターフェロン抵抗性HCVとIL6の高発現が関連している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HCV NS4B蛋白による自然免疫・I型IFNシグナル逃避機構については、宿主蛋白STINGを標的とした分子機構を詳細に検討し、論文発表した(Hepatology 2013)。現在さらに、HCVコア変異とIFN抑制系であるIL6との関連を解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの臨床的研究で、インターフェロン抵抗性HCVであるHCVコア変異株感染例では、テラプレビル+ペグインターフェロン+リバビリン3剤併用療法中のIL6が高値で推移しており、インターフェロン抵抗性HCVとIL6の高発現が関連している可能性が示唆された。そこで、今後これらの知見に関与する機能解析をin vitroで行うために、我々はHCV-JFH1(genotype 2a)に加えTPF1(genotype 1b)を用いたHCV培養系による解析を遂行することとし、これまでHCVプラスミド(JFH1, TPF1)にHCVコア70, 91変異を導入し、変異HCVクローンの細胞内増殖系を確立した。今後この感染モデルを用いて、ウイルス分泌レベルの比較解析、変異HCVクローンのインターフェロン感受性の解析、I型およびIII型インターフェロンシグナル抑制分子(SOCS1, SOCS2, UPF1, IL-6, TNFα)の定量解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床検体における血清IL6の測定およびHCV培養系でのI型III型IFNシグナルの機能解析のために、細胞培養培地・仔牛血清、核酸抽出・検出試薬等の消耗品購入に充てる。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] Guidelines for the Management of Hepatitis C Virus Infection.2013
Author(s)
Asahina Y, Hayashi N, Izumi N, Koike K, Kumada H, Oketani M, Suzuki F, Takikawa H, Tanaka A, Tsubouchi H, Yotsuyanagi H: editors of the Drafting Committee for Hepatitis Management Guidelines.
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Journal Title
Hepatol Res
Volume: 43
Pages: 1-34
DOI
Peer Reviewed
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