2012 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞CTGFによる肝線維化・肝発癌制御機構の解明
Project/Area Number |
24590971
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小玉 尚宏 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10623275)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巽 智秀 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20397699)
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70335355)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | CTGF / 肝繊維化 / 肝癌 |
Research Abstract |
肝線維化は慢性肝炎/肝硬変の中心的病態であるが、その制御機構は複雑で未だ不明な点が多い。これまでに我々は肝細胞p53が肝線維化に促進的に働く事を同定し、p53依存的に肝細胞から産生される液性因子の一つにconnective tissue growth factor(CTGF)があることを報告した。このCTGFは腎臓・肺等の臓器の線維化を制御しており肝線維化への関与も想定されているが、CTGFを全身で欠損したマウスは胎生致死であることからこれまで詳細な解析は行われていない。そこで本研究課題においては肝臓における肝細胞由来CTGFの意義を解明するため、肝細胞特異的CTGF欠損マウスの作成を試みた。Ab-CreトランスジェニックマウスとFloxed CTGFマウスの交配により肝細胞特異的CTGF欠損マウス(Ab-Cre Tg/+ ; CTGFfl/fl)を作成した。このマウスは正常に発育し、6週令でのマクロの解析において肝に異常を認めず、また生化学所見においても異常を認めなかった。次に、MX1-CreトランスジェニックマウスとFloxed CTGFマウスの交配により、poly I:C誘導性肝細胞特異的CTGF欠損マウス(MX1-Cre Tg/+ ; CTGFfl/fl)を作成した。このマウスも正常に発育し、poly I:C刺激により肝細胞でのCTGF遺伝子欠損を誘導したが肝に明らかな表原型を呈さなかった。これらのことから肝細胞からのCTGF産生は肝臓の発生や恒常性の維持においては必須ではないことが明らかとなった。今後はこれらKOマウスに対して種々の肝線維化モデルを用いて検討を行っていく必要があると考えられる。
|