2013 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患に対する新規栄養療法の開発:進行抑制から発症予防までをめざして
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24591133
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80271203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
友田 恒一 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90364059)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 栄養療法 / 腸内環境 / 食生活 / 発症予防 |
Research Abstract |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)にみられる栄養障害は予後を規定する重要な併存症である。しかし有用な栄養補給療法は未だ確立されていない。申請者はエネルギー吸収の観点から消化管に着目し、動物モデルを用いて脱繊維食や不規則な給餌で腸内環境を悪化させた場合、高度の栄養障害とともに気腫病変が高度かつ早期に形成されることを明らかにしてきた。COPDの発症進展における後天的要因として食生活の重要性を示唆する結果として注目されている。これらの結果を基盤に腸内環境の改善を目指すことによって、栄養障害の改善にとどまらず、COPDの発症予防にも寄与しうる新たな栄養療法(食生活改善療法)を確立する糸口を得ることが本研究の目的である。 繊維除去食ならびに不規則な食事摂取で喫煙暴露すると肺気腫ならびに栄養障害・骨粗鬆症の発症・進展が高度になることを動物モデルを用いて明らかにしてきた。今回は動物モデルを用いて気腫ならびに併存症を改善させる食材を消化管保護の観点から探索した。 【方法】SHRラット(10週齢雄)を繊維除去食/非連続給餌群(肺気腫群)およびGFOB付加給餌群の2群にわけて飼育し、8週間にわたり喫煙曝露を行った。GFOB:Glutamine,Fiber,Oligo糖,Bifidobcterium 【結果】GFOB群1)気腫病変の軽減 2)肺胞洗浄液中の好中球の減少3)骨密度低下、骨塩量減少の改善を認めた。 【結論】腸内環境を改善するとされるGFOB付加食は肺気腫および併存症である骨粗しょう症を改善させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおりに肺気腫を改善させる食材を見つけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
GFOBの肺気腫患者への臨床応用にむけてのさらなる検討を行う。
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