2014 Fiscal Year Annual Research Report
腹膜線維症の再生治療における中皮細胞移植療法の確立
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24591240
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
関口 嘉 順天堂大学, 医学部, 助教 (50599892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 千江子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50291662)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腹膜透析 / 腹膜線維症 / 組織再生 / 中皮細胞 / 細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
持続シリンジポンプを用いたクロールヘキシジンによる腹膜障害モデルを作成し、このモデルを用いて研究室で確立したSV40 large T抗原を遺伝子導入し温度感受性増殖中皮細胞株の移植をおこない組織修復を検討した。本動物実験では、クロールヘキシジンで傷害を受けた腹膜組織は移植細胞の分泌する炎症性サイトカインやTGF-βをはじめとする成長因子が移植直後の組織で著明に増加し炎症細胞が誘導され組織の線維化の悪化が認められ、正常組織への修復が細胞移植によって阻害される結果であった。中皮細胞移植の再生阻止機序は、傷害腹膜組織に存在する炎症が移植中皮細胞のRAS / MAPK系を刺激することで、中皮細胞の形質転換を惹起し形質転換した移植中皮細胞自体が腹膜組織の炎症を増悪させることがさらなる検討によって明らかとなった。この結果を、Nephrology Dialysis Internationalに発表した。本研究の結果がグループ内の他の研究員の行った脂肪幹細胞移植による腹膜障害再生促進結果と大きく異なることから、細胞種依存した組織再生機序の存在が明らかとなったため、中皮細胞を用いて形質転換を抑制し外的刺激下を加え、同細胞の細胞応答の変化を確認する研究に着手した。さらに、クロールヘキシジンによる障害モデルに代わるより腹膜透析患者の腹膜障害に近似したモデルとしてメチルグリオキサールによる腹膜障害モデルを作成に着手し、腹膜組織の障害評価をおこなっている。
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