2012 Fiscal Year Research-status Report
CIDPにおける軸索‐グリア接合を標的とした新規自己抗体介在性の脱髄機序の解明
Project/Area Number |
24591265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河村 信利 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00432930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 怜 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20596390)
松瀬 大 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70596395)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中枢末梢連合脱髄症 / 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎 / 新規自己抗原 / ウエスタンブロット / セルベーストアッセイ |
Research Abstract |
平成24年度は、ラット脳神経組織から抽出した蛋白を電気泳動にて展開し、中枢・末梢連合脱髄症(combined central and peripheral demyelination, CCPD)の患者血清を反応させたところ、特徴的なバンドが検出され、そのバンドは抗Neurofascin(NF)抗体を反応させた物と同一であった。さらに、患者血清にラットリコンビナントNF155蛋白を添加し吸着させた後、その血清を再度ラット脳神経抽出蛋白と反応させたところ、吸着前にみられたバンドはリコンビナント蛋白の濃度依存性に消失した。このことから、CCPD患者血清中には抗NF155抗体が存在していることが確認された。 また、HEK293細胞にヒトNF155をトランスフェクトして細胞表面にNF155を発現させ、患者血清を反応させたところ、CCPD患者7名中5名で陽性であった。一方、他の神経免疫疾患患者血清はすべて陰性であった。このことから、CCPD患者血清に存在する抗NF抗体は特異的に出現し、実際に細胞表面に発現したNF155を3次元的に認識する事を証明した。 これらの結果をふまえて、現在確認実験および論文投稿準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では平成24年度に慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)における標的自己抗原の同定、およびその測定系の確立が目標であったが、いずれも順調に進行している。患者血清を用いた研究成果については、現在論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度中に発見した新規自己抗体の解析をさらに進める。 患者血清中の自己抗体サブクラス解析、および新規自己抗原として同定されたNF155蛋白の免疫原性評価については、当初の計画通り平成25年度中に動物実験にて確認する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記研究に用いるリコンビナント蛋白、および抗体などの試薬購入費、および動物購入、維持費等に使用する予定。
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