2014 Fiscal Year Annual Research Report
栄養情報を反映した新規グルココルチコイド作用切り換えメカニズムの解明
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24591357
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
沢津橋 俊 徳島大学, 藤井節郎記念医科学センター, 特任講師 (70535103)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | グルココルチコイド / ステロイドホルモン / グルココルチコイドレセプター / GR / O-GlcNAc修飾 / OGT / 翻訳後修飾 / 核内受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
グルココルチコイド(GC)は抗炎症薬として有用である一方、その副作用の問題は未解決である。これはグルココルチコイドレセプター(GR)を介したGCの作用において感受性や組織特異性を制御する分子メカニズムが明らかになっていないことが一因である。本研究はGRの転写機能が細胞外の栄養状態に応答することを新たに見出し、この栄養状態を反映する翻訳後修飾としてO-結合型N-アセチルグルコサミン(O-GlcNAc)修飾を組織特異的転写活性を有するActivation function-1(AF-1)領域内に同定した。LC-MS/MS解析により、その修飾サイトは進化的に非常に高く保存されたセリン残基であることが判明し、この修飾部位を特異的に認識する抗体を作成した。この抗体を用い、マウスの24種類の組織切片に対して免疫蛍光染色を試みたところ、肝臓、膵臓、腎臓のほか大脳で非常に強いシグナルが得られた。また、このO-GlcNAc修飾GRはリガンド依存的に核に局在することが明らかとなった。 これらの結果はGC作用がホルモン濃度のみによらず、末梢組織の栄養状況に応じたGR機能の増強・減弱が翻訳後修飾により規定される可能性を示している。さらに本研究で見出したGRの新規翻訳後修飾O-GlcNAcサイトの変異体マウスをCRISPR/Cas9を利用したゲノム編集技術により作出した。
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Research Products
(1 results)