2012 Fiscal Year Research-status Report
Choreinとミトコンドリア関連細胞死の関連について
Project/Area Number |
24591685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中村 雅之 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90332832)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有棘赤血球舞踏病 / chorein / mitophagy |
Research Abstract |
Chorein を強制発現させたHEK293安定発現細胞株とMock細胞に脱共役剤であるCCCPによってミトコンドリア膜電位消失刺激を与え、それぞれの細胞の生存率を比較したところchorein強発現細胞の方が有意に生存率が高かった。chorein-ミトコンドリア細胞死関連タンパク質を同定するためにCCCP刺激の有無によるchorein結合タンパク質の違いを同定するために、CCCPによってミトコンドリア膜電位消失刺激を与えた細胞と刺激を与えていない細胞に対して免疫沈降を行いSDS-PAGEとゲルから切り出ししたタンパク質のバンドに対して質量分析を行った。これらの結果、CCCP刺激した細胞では細胞骨格タンパク質であるmyosinとbeta-actinとの結合が強まることがわかった。myosinとbeta-actinについて免疫蛍光染色を行ったところ、CCCP刺激を行うと、choreinとの共在が強まっていた。また、CCCP刺激によってchoreinはミトコンドリアに集積していた。これらの結果から、CCCPを刺激によって不良ミトコンドリアが増えると不良ミトコンドリアを除去するためにマイトファジーが誘導されることが知られており、choreinはマイトファジーと関連することが示唆さた。 戻し交配によりFVB, 129/Svのストレインにバックグランド遺伝子を統一した遺伝子改変ChAcモデ ルマウスを用いて行動実験を行ったところ、週齢40週の時点ではChAcモデ ルマウスFVBのにおいてのみ行動異常を認めた。ストレインによって行動異常を呈する週齢が異なることからなんらかの修飾因子が存在する可能性が示唆される結果を得つつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度における研究実施計画の中で、 Chorein-ミトコンドリア細胞死関連タンパク質の同定については、chorein を強制発現させたHEK293安定発現細胞株を用いて免疫沈降法により、chorein結合タンパク質を同定し、CCCPによってミトコンドリア膜電位消失刺激を与えた細胞にも同様に免疫沈降を行い刺激の有無によ るchorein結合タンパク質の違いを同定する。同定したタンパク質について免疫蛍光染色などにより局在やchore inとの供在についての解析まで終えている。また、遺伝子改変ChAcモデルマウスの行動解析を開始している。これらより、現在まで概ね順調に進展しているとおもわれる。
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Strategy for Future Research Activity |
choreinとGFPなどとの融合タンパクを発現するコンストラクトを構築、細胞にトランスフェクションし、生細胞の観察を通して刺激後の経時的な局在や発現の変化を確認し、機能的意義を実証する。マウス脳線条体から抽出したタンパク質を用いたウエスタンブロットやマウス脳の免疫組織化学法などによって 、choreinとミトコンドリア細胞死関連タンパク質の免疫反応の違いと表現型との相関などを検討する。有棘赤血球舞踏病の家系内のヘテロ接合性VPS13A遺伝子変異保因者には精神疾患が多発し、気分障害や統合失調症患者の中に も神経有棘赤血球症関連遺伝子変異をヘテロ接合性に有するものがいる。これらの事実は気分障害や統合失調症 などの精神疾患もChAc分子病態関連遺伝子と関連する可能性があることを示唆するものであり、choreinが関与することが明らかとなったタンパク質や、それをコードする遺伝子ににおける多型、変異、発現などと気分障害や統合失調症などの精神疾患との関連の可能性について解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)