2014 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害におけるメタボリック症候群予測マーカーの探索
Project/Area Number |
24591724
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
館農 勝 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60464492)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古橋 眞人 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20563852)
鵜飼 渉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40381256)
渡邊 公彦 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70464493) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 広汎性発達障害 / 自閉症 / 自閉スペクトラム症 / メタボリック症候群 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
広汎性発達障害(PDD)患者を対象に、データベース化した臨床症状や各種検査結果、自記式および観察者評価式スケールの結果等とメタボリック症候群との関連について網羅的に統計解析を行った。臨床症状は、ウェクスラー式知能検査をはじめとした発達心理検査の結果、自閉症スペクトラム指数(AQ)等の自記式スケールの結果、広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度(PARS)に基づく聴取により得られた行動特性を数値化するなどして検討を行った。BMI(Body Mass Index)について、BMI 18.5未満、18.5~25、そして、25以上の3群に分けて各種評価スケールの結果を統計解析したが、PDD関連症状の重症度と肥満との有意な相関は認められなかった。一方で、PDDにおける肥満の発生には、PDD特性の重症度によらず、インターネット使用時間、外出時間の短さなど、ひきこもりに関連した生活習慣の関与が示唆された。 脂肪酸結合タンパク(fatty acid-binding protein: FABP)のisoformsの一つであるFABP4は、肥満や糖尿病の発症に関与すると報告されている。また、FABP7は、自閉症との関連が報告されている。このFABP7は、神経幹細胞や海馬歯状回の神経前駆細胞に発現し、神経新生の制御に関わっている可能性が報告されている。今回、ラット胎仔終脳から得た神経幹細胞にFABP4を処置したところ、Tuj-1抗体を用いたELISA法で評価した結果、対照群に比べて神経細胞への分化が促進された。自閉症をはじめとしたPDDは、先天性の脳機能の障害がその病態基盤である。メタボリック症候群に関連したタンパクであるFABP4が、PDDの生物学的基盤に関係している可能性が示唆された。
|