2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨盤部SWI:腸管ガスによる磁化率アーチファクトの基礎的検討
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24591766
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
徳田 修 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (60380002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 尚文 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40157334)
木戸 尚治 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90314814)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MRI / アーチファクト / SWI |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度、山口大学工学部ものづくり創生成センターと共同で作成したファントム装置を用いてMRIの磁化率強調画像(SWI)を撮像した。このファントムでは、腸管を想定したボックス内には2/3に空気、残り1/3にはグレープフルーツ入りジュースを入れ、ヘモジデリンを含む内膜症性嚢胞を想定したボックス内には微量な鉄含む液体を入れた。しかし、実際にファントムをSWIで撮像したところ、当初考えていたよりも、2つのファントムの間隔を変化させたときの磁化率アーチファクトの変化が非常に小さいことが判明した。 そこで、次年度は、当初計画していた残りの検討項目、すなわち2つのファントムの周波数方向、位相方向の関係という点に着目し、当院にてファントムを作成し直した。2つのシリンジを用意し、1つのシリンジには腸管ガスを想定して空気を封入、もう一つのシリンジにはヘモジデリンを含む内膜症性嚢胞を想定して鉄製剤を封入した。これらの2つのシリンジを静磁場方向と平行(0°)、垂直(90°)に配置し、磁化率アーチファクトを測定した。鉄製剤のシリンジでは0°、90°で有意差はなかったが、空気を封入したシリンジでは90°に配置したとき、磁化率アーチファクトが有意に増加した。腸管ガスによる磁化率アーチファクトの影響は非常に大きいと考えられたことから、最終年度は、正常ボランティア3名に対して市販の胃腸管内ガス排出促進剤内服前後で、骨盤部MRIのSWIを撮像したところ、内服後の方が、磁化率アーチファクトの少ない良好な画像が得られた。 骨盤部MRIでSWIを撮像する際は、腸管ガスによるアーチファクトの影響を減らすために、検査前には腸管内ガス排出促進剤を内服することが望ましいということがわかった。
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