2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24591825
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Research Institution | Kyoto College of Medical Science |
Principal Investigator |
大野 和子 京都医療科学大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30247689)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 機能マンガ / 妊娠と医療放射線 / 看護師放射線教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線の人体影響を正確に国民が知ることは、福島原発事故災害後の風評被害や漠然とした不安な気持ちを改善するための至急の課題です。 判りにくいといわれる放射線に関する理解を容易にするために、京都精華大学漫画学部の協力を得て、妊娠と放射線検査をテーマとした機能マンガを作成しました。機能マンガとは人々に必要な知識や情報を、マンガを通して自然な形で伝える新たな手法です。この冊子は京都医療科学大学のHPから自由にダウンロードできます。英語版も作成し希望者へ配布しています。京都府主催の市民フォーラム、放射線医学総合研究所の放射線看護過程、京都大学、慈恵医科大学、北海道大学の附属病院講習会、愛知医科大学看護学部の講義で効果を検証しました。人々の気持ちを想像しやすい、取り組み時の敷居が低くなるという意見が多くを占めました。 また、単元毎に新人看護師を主人公としたショートマンガを掲載した、看護師向けの放射線科教科書を作成しました。放射線に不安を持つ患者さんや市民とのコミュニケーションの取り方にも単元を割いています。現在は、多くの看護師が放射線診療に関わりますが、系統的に教育する平易な教科書はありません。京大病院中央放射線部と看護部のスタッフの監修を受け、看護師が理解しやすい文面にしました。完成した教科書は2015年4月より福島県郡山市のポラリス看護学校で活用されています。 さらに放射線について気軽に人々が手に取れるパンフレット形式の配布資料を作成しました。内部被曝や飲料水の安全性などの10項目について記載し解説する挿絵や資料をつけています。高等学校や京都医療科学大学が主催するイベントで配布していますが、放射線科専門医会にデジタル版へのリンクを申請中です。 今回作成した機能マンガや平易な放射線教育用教科書やパンフレットにより、放射線に関して自ら正確に判断できる知識が多くの人に広まると考えています。
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Research Products
(8 results)