2014 Fiscal Year Annual Research Report
包括的SNPアレイ解析と遺伝子発現プロファイルの統合から導いた新規膵癌治療戦略
Project/Area Number |
24592037
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
廣野 誠子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60468288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60236677) [Withdrawn]
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40398459)
岡田 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50407988)
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (90549734)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膵癌 / DNA1次構造異常 / 網羅的遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)膵癌細胞のDNAとRNAの抽出:膵癌凍結サンプル20例から、マイクロダイセクションにより、膵癌細胞のみを回収した後、DNAとRNAを抽出し、網羅的遺伝子解析に用いた。 2)包括的DNA1次構造異常解析:上記で抽出した膵癌細胞DNAと、同一固体の正常細胞から抽出DNAを用いて、包括的DNA1次構造異常解析を行った。膵癌細胞で特異的にDNA1次構造異常解析を認めた領域は、Ch9p21.3, Ch18q21.1領域をはじめとする5領域にhomozygous deletionを認めた。またCh9p21.2, Ch17p13.3-p11.2領域をはじめとする多くの領域で、heterogenous deletionを高頻度に認めた。さらに、Ch18q11.1-q11.2, Ch1q21.1-q23.1領域をはじめとする領域に、copy数の増幅を認めた。 3)網羅的遺伝子発現解析:1)で抽出した膵癌細胞RNAと正常膵管細胞から抽出したRNAを用いて、網羅的遺伝子発現解析を行った。 4)包括的DNA1次構造異常解析と網羅的遺伝子発現解析の統合:包括的DNA1次構造異常解析にて、最も高頻度にhomozygous deletionとLOHを認めたCDKN2A, CDKN2B, SMAD4に関して、RNAの発現量を解析した。CDKN2AとCDKN2Bでは、homozygous deletion症例では、RNA発現がほとんど認めないものの、LOH症例では、正常膵管とほぼ同等の発現量を認めた。一方、SMAD4に関しては、homozygous deletion症例では、RNA発現がほとんど認めず、LOH症例では、正常膵管よりも有意に低発現量であった。このことから、CDKN2とSMAD4の、LOHに対するRNA発現メカニズムがちがうことが分かった。さらに、copy数の増幅を認めた領域の遺伝子のRNA発現は有意に高発現を示した。
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Research Products
(1 results)