2013 Fiscal Year Research-status Report
VerifyNowを用いた血小板機能からみた術前抗血小板剤中止のタイミング
Project/Area Number |
24592077
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
種本 和雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90330547)
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Keywords | 抗血小板薬 |
Research Abstract |
各種抗血小板剤投与を受けているが外科手術を受ける場合に薬剤を中止するタイミングについて明らかに示されたものはまだない.従来の比濁法は操作が煩雑で検査時間も長く,データの安定性などの問題点があり,臨床応用には至っていないのが現状である.しかし近年,迅速で簡便かつ正確な血小板機能測定装置VerifyNowシステムが登場し,Aspirin Reaction Units(ARU)またはP2Y12 Reaction Units(PRU)を測定することにより,抗血小板薬内服中のモニタリングが可能となった.本研究は血小板機能評価の新しい方法であるVerifyNowシステムを用いて,術前薬剤中止後の血小板機能回復曲線を薬剤別に示し,薬剤別至適術前中止時期を明らかにし,術直前の血小板機能と術中・術後出血量の関係を検討することを目的とする. 平成25年度は,術前にクロピドグレル内服中の患者7例を対象にVerifyNowシステムP2Y12キットを用いて最終内服日から手術当日までのPRU値を経時的に測定し,血小板機能回復経過から至適中止時期を検討した.クロピドグレル休薬後約2-5日でPRU値がcut off値を上回り,血小板凝集能が回復していることが示され,休薬から手術まで血栓形成等による合併症は認められなかった. 心臓待機手術症例における術直前の血小板機能が術後出血とどのように関連があるかを調べる研究では,新たに大動脈弁置換術17例,僧帽弁形成術19例,心拍動下冠動脈バイパス術9例を追加して検討を行った.結果としていずれの術式も軽度の逆相関は認めるものの,有意差までは認めなかった.以上の結果から,本邦における抗血小板薬の術前休薬期間は短縮可能であると思われる.また,このシステムによる術前血小板機能評価により術後出血量を予測できる可能性があると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は昨年に引き続き,新たに薬剤別至適術前中止時期の検討が7例,術直前血小板機能と術後出血量との相関に関する研究は大動脈弁置換術17例,僧帽弁形成術19例,心拍動下冠動脈バイパス手術9例のデータ加え,解析を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤別至適術前中止時期の検討に関しては,クロピドグレルにおいて良好なデータが収集できているので,引き続き症例を蓄積していく. 出血量との相関に関しては,症例の蓄積によって有意差が示される可能性が高いので,今後もデータを収集していく方針である.
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Research Products
(3 results)