2014 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化性巣における新規血管新生調節因子バソヒビンの発現様式と病的意義の解明
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24592125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 和道 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90598921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 秀典 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60232021)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 不安定プラーク / プラーク内出血 / 血管新生 / 頚動脈狭窄 / バソヒビン |
Outline of Annual Research Achievements |
不安定プラークの分子イメージングおよび分子標的薬の創薬を将来的な目標として、新規血管新生調節因子バソヒビンの頚動脈プラークにおける発現とその意義を明らかにするために研究を行い、以下の結果を得た。 頚動脈動脈硬化巣におけるバソヒビン-1の発現をRT-PCR法によって検討すると、正常の血管内膜に発現しているバソヒビン-1と比較して有意に多く発現していた。また、ICAM-1、VCAM-1といった動脈硬化と関連する各種の炎症性マーカーの発現との関連を検討したところ、バソヒビン-1の発現と強い相関関係がみられ、バソヒビン-1と動脈硬化との関連が強く示唆された。バソヒビン-1の頚動脈プラーク内での発現部位について、免疫組織学的手法を用いて検討した。血管内皮細胞に特異的な分子であるCD31と二重染色を行ったところ、CD31と同じくプラーク内の新生血管内皮細胞に発現していることが確認された。以上より、頚動脈狭窄症においてバソヒビン-1の発現が亢進しており、プラークの不安定化に関与している可能性が示唆された。 頚動脈内皮細胞の培養細胞を用いた実験では、センダイウィルスを用いてバソヒビン-1遺伝子のノックダウンを試みたが、ウィルスの導入効率が悪く、有効な検討はできなかった。またVEGFに対する中和抗体を使用し、VEGF刺激下でのバソヒビン-1の発現量について比較を試みたが、安定した結果が得られなかった。ラットの頚動脈動脈硬化モデルを用いて、ラットの動脈硬化巣でのバソヒビン-1の発現をRT-PCR法を用いて検討したが、定量の評価に十分なRNAを採取することができず、こちらも有効な検討ができなかった。 なおバソヒビン-2についても同様に頚動脈動脈硬化巣における発現を検討したが、免疫染色において発現が十分に見られず、RNAの定量評価においても十分な発現量が見られなかったため、研究は中断した。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Expression of Vasohibin-1 in Human Carotid Atherosclerotic Plaque2015
Author(s)
Ryu Fukumitsu, Manabu Minami, Kazumichi Yoshida, Manabu Nagata, Mika Yasui, Sei Higuchi, Risako Fujikawa, Taichi Ikedo, Sen Yamagata, Yasufumi Sato, Hidenori Arai, Masayuki Yokode, Susumu Miyamoto
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Journal Title
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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