2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトグリオーマ幹細胞の生存・増殖・未分化性維持に関わるニッチの解明
Project/Area Number |
24592181
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Research Institution | National Hospital Organization Osaka National Hospital Institute for Clinical Reserch |
Principal Investigator |
金村 米博 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 先進医療研究開発部 再生医療研究室, 室長 (80344175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正札 智子 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 先進医療研究開発部 幹細胞医療研究室, 室長 (40450895)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 / 脳神経疾患 / 発生・分化 / 薬剤反応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
合計56検体のグリオーマ腫瘍組織(grade 4:48例、grade 3:4例、grade 2:4例)から無血清培地を用いたneurosphere法を使用して培養細胞樹立を実施した。その結果、初代sphereが形成された後、数継代以内に維持培養が困難となった腫瘍細胞凝集塊(SC-TS)は41株(樹立成功率:73.2%)、長期培養可能な腫瘍細胞凝集塊(LC-TS)は11株(樹立成功率:11%)、各々樹立された。腫瘍組織gradeとSC-TSおよびLC-TCとの関連性の検討では、SC-TSおよびLC-TCの樹立成功率はそれぞれ、grade 4(75%、22.9%)、grade 3(100%、0%)、grade 2(25%、0%)で、SC-TSはgrade 4および3の腫瘍からは高率に樹立可能であるが、LC-TCは全例grade 4腫瘍からの樹立に限定され、grade 4でも初発例より再発腫瘍および2次性腫瘍でより樹立成功率が高い傾向が示唆された。LC-TC樹立成功率と分子遺伝学的特性との関連性の検討では、野生型IDH1/2、野生型TP53、TERTプロモーター変異、MGMTプロモーター低メチル化、の特性を有する腫瘍からLC-TCが樹立される割合が高い傾向が明らかになった。また、抗原Xを有する腫瘍からはLC-TCが樹立される割合が高い傾向が示唆された。これら同定された分子特性がLC-TS樹立に関与するマーカーになり得る可能性が示唆され、グリオーマ幹細胞の生存・増殖・未分化性維持に関わるin vitro ニッチの解明につながる分子であると結論づけられた。
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Research Products
(19 results)