2012 Fiscal Year Research-status Report
世界初、幹細胞由来靭帯組織作製成功による靱帯骨化ブロッカー製剤開発研究
Project/Area Number |
24592215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
津留 美智代 久留米大学, 医学部, 助教 (90368887)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医療 / 幹細胞 / 創薬 / POC / GCP / 有害事象 / 安全 / 臨床試験 |
Research Abstract |
世界で始めて、幹細胞から靭帯組織を作製し、2013年、論文公開、PCT特許取得及び、国民に向けて、プレスリリースを行った。靭帯特異的タンパク質のトランスジェニックマウスの作製から、脊柱靭帯、膝関節靭帯、歯周靭帯に強発現を呈し、幹細胞由来靭帯組織のマイクロアレイ解析では、幹細胞とは明らかに違い、且つ、野生型マウス、トランスジェニックマウスの遺伝子発現が近いことが判明した。また、トランスジェニックマウスと野生型マウスの靭帯組織を引っ張り試験を行った結果、トランスジェニックマウスの靭帯は強靭であることが判明した。さらに、トランスジェニックマウスの尿中から高いI型コラーゲンとMMP-13値の高値が見られ、この結果、トランスジェニックマウスは、靭帯遺伝子の強発現により、靭帯が強くなり、それに伴いI型コラーゲンが分泌し、MMP-13により、過剰なI型コラーゲンを調節し、尿中に排泄されたことが考えられる。動物実験の結果、幹細胞由来靭帯組織の生体機能を使った直接的な靭帯損傷部の再生の検証では、①ニワトリの靭帯損傷・靱帯断裂への移植から靭帯再建が可能となった、②マウスの歯周靭帯移植では、歯根部位、歯周ポケットへの移植により、歯周靭帯が再建でき、歯の固定が可能となった。 幹細胞由来靭帯組織のプロトアレイ、マイクロアレイとのパスウエイ解析では、新たな靭帯組織の発現解析ができたため、脊柱靭帯骨化症の疾患特異的タンパク質から合成した、靭帯骨化ブロッカー化合物の薬物動態試験が可能となり、患者個別化幹細胞からの靭帯組織であるために、ブロッカー化合物の骨化分解性、予防性、有害事象(AE: Adverse Event)を調べることが可能となり、安全で安心できる製剤へ研究が展開できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロテオミクス研究から、靭帯組織特異的なタンパク質から幹細胞由来靭帯組織を作製することができ、脊柱靭帯骨化症患者血液から靭帯骨化ブロッカー化合物を合成した。両者ともに、並行して実施してきた研究であり、脊柱靭帯骨化症の臨床試験の開始前に、患者個別化された靭帯組織を幹細胞から作ることができれば、より安全に、安心できる、病的骨化のみを分子標的とする製剤を送り出せると考えたためである。プロテオミクスの技術の基盤があっての、研究業績である。 我国の国民のために、難病を克服し、安心できる医療に展開できることを念頭に、無駄のない研究計画を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
靭帯骨化モデルマウスからin vivoでの靭帯骨化ブロッカー化合物の濃度、持続時間等の詳細な薬物動態試験を実施していく。 目的は、靭帯骨化ブロッカー化合物が、靭帯骨化を予防すること、さらに、骨化を分解し、治療することが可能か、科学的検証を調べるためである。そのために、個別化幹細胞由来靭帯組織を使った分子製剤研究の妥当性があり、1.プロダクティビティ;成果を向上させる、2.研究開発のスピードアップが期待できる、3.開発の成功率を高める、4.研究開発のリスク減少が可能となる、5.医療費の減少、6.患者の治療成績を高めることができ、7.開発のgo/no goの速やかでかつ的確な決断ができ、結果、副作用の軽減となる意義があり、個別化幹細胞由来靭帯組織を使った分子製剤開発、脊柱靭帯骨化抑制剤の用法用量の有効用量を決定、薬物の暴露と臨床応答の変動、副作用に対するリスク、薬物の暴露と臨床応答の変動 、副作用に対するリスク、遺伝型に基づいた用法・用量 、薬物の作用メカニズム、再度、遺伝型薬物標的と配座遺伝子を確認し、完全なプロトコールを作り、世界中の整形外科、歯科、薬学、再生研究者が靭帯組織を作り、研究に使用できるようにベースガイドラインを作成することが可能となるため、in vitro、in vivoでの独自の研究を行っていく。 幹細胞由来靭帯組織とその骨化靭帯組織を使い、靭帯骨化ブロッカー化合物の最適化を検証する。さらに、分子標的性を高める必要がある場合、再度、分子デザインから合成を直視し、正常骨を溶解させないように安全性を限りなく高めた、靭帯骨化ブリッカー化合物を作り出し、その有害事象、GCP(Good Clinical Practice)を定めることができる科学的検証を有する研究を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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