2013 Fiscal Year Research-status Report
世界初、幹細胞由来靭帯組織作製成功による靱帯骨化ブロッカー製剤開発研究
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24592215
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
津留 美智代 久留米大学, 医学部, 助教 (90368887)
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Keywords | プロテオミクス / ノックアウトマウス / micro RNA / 難病 / 脊柱靭帯骨化 / 糖尿病 |
Research Abstract |
我国の難病である脊柱靭帯骨化症は、原因や治療方法が解明されておらず、発病患者が多い日本にとっては、急ぎ解決するべき研究である。 私は、脊柱靭帯骨化症の中でも重篤な発病を呈する後縦靭帯骨化症に焦点を絞り、患者血液プロテオミクスを行い、健常者と比較し、欠損しているタンパク質があることを発見した。 このタンパク質をLC-MS-MSにて同定し、このタンパク質のノックアウトマウスを作製した。 このノックアウトマウスの特徴として、誕生時は、ワイルドマウスと変化はなかったが、徐々に皮下脂肪、内臓脂肪が増大し、糖尿病を併発した。ヒトでの中年期であろうマウスの8カ月以降、歩行障害、3D-CTによる脊柱靭帯骨化を確認し、組織学的に腰椎、頚椎、胸椎部分での後縦靭帯骨化を確認した。この結果により、作製したノックアウトマウスは、後縦靭帯骨化症のモデルマウスであると判断し、患者に1つのタンパク質の欠損によることが発症の原因であると考察した。さらに、このタンパク質の欠損には、遺伝子レベルの影響はなく、特異的タンパク抑制のメカニズムを解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の前倒し請求を使い、疾患特異的タンパク質の遺伝子操作マウスを作製した。マウスの誕生から8か月後、後縦靭帯骨化症が明確に発症が確認され、モデルマウスであることが判明したことで、これまで不明であった疾患に突破口を見出すことができた。 難病克服のために、一層精進し、研究を遂行し、必ず、我国の製剤開発へ橋渡しを行う。
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Strategy for Future Research Activity |
難病克服の一歩を踏み出せたと確信している。 必ず、この難病の製剤を開発へ橋渡しを実施するために、ICH-GCPをクリアできる研究基盤を整備する。 合併症として、糖尿病を発症しており、本研究から後縦靭帯骨化症のみならず、糖尿病への解決の道が開けると考え、更なる研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
疾患特異的タンパク質を同定し、ノックアウトマウスの作製により、明確な研究成果に繋がった。このノックアウトマウスの作製に係る費用と解析費用のために、前倒し請求をし、難病である後縦靭帯骨化症のモデルマウスを作ることができた。 本研究により、このマウスの更なる研究により、発症メカニズムなどこれまで不明であったことが判明した。 前倒し研究費用は、目的である後縦靭帯骨化症のモデルマウス作製と解析のために使用し、研究の成果を一気に進め、論文公開、学会発表を実施する。
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