2013 Fiscal Year Research-status Report
進行性腎細胞癌に対するLexatumumab併用テムシロリムス療法の開発
Project/Area Number |
24592395
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
呉 秀賢 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10346645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉元 幹史 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (10243768)
筧 善行 香川大学, 医学部, 教授 (20214273)
加藤 琢磨 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (70625673)
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Keywords | 腎癌培養細胞 / TRAIL-R1 / Mapatumumab / TRAIL-R2 / Lexatumumab / アポトーシス / アニソマイシン / テムシロリムス |
Research Abstract |
我々は平成24年度から「進行性腎細胞癌に対するLexatumumab併用テムシロリムス療法の開発」というテーマで科学研究費(基盤研究C)をいただき、難治性・進行性腎癌に対する新たな抗癌療法の開発研究を行った。腎癌株化細胞ACHNと腎癌組織より作製した初期腎癌培養細胞をフローサイトメトリーにて解析したところ、新規分子標的剤テムシロリムス処理により、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド受容体2(TRAIL-R2)の発現増強が認められた。また、TRAIL-R2に対するヒトアゴニストモノクロナール抗体Lexatumumabとテムシロリムスとの併用でACHN細胞や初期腎癌培養細胞を24時間処理したところ、腫瘍細胞に対する相乗的な殺細胞効果は認められなかったものの、相加効果を認めた。 また、タンパク質合成阻害剤アニソマイシン単独及び抗TRAIL受容体1 (TRAIL-R1) ヒトモノクローナル抗体Mapatumumabとの併用効果も検討した。アニソマイシンはCaki-1とNC65腎癌細胞株に対して濃度依存的に細胞障害活性を示した。また、Caki-1、NC65、ACHN腎癌細胞株と3症例の初期腎癌培養細胞をアニソマイシンとMapatumumabとで併用処理したところ、MTT試験より相乗的な殺細胞効果が認められた。現在その作用機序を解析中である。 なお、膀胱癌細胞において、Lexatumumabはアントラサイクリン系抗癌剤エピルビシンやテラルビシンとの併用による相乗的な殺細胞効果を認めた。これはカスパーゼカスケードの活性化を介したアポトーシス誘導によるものであった。現在論文作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は難治性・進行性腎癌、膀胱癌に対する新たな抗癌療法の開発研究を行った。 腎癌株化細胞ACHNと腎癌組織より作製した初期腎癌培養細胞をフローサイトメトリーにて解析したところ、新規分子標的剤テムシロリムス処理により、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド受容体2(TRAIL-R2)の発現増強が認められた。また、TRAIL-R2に対するヒトアゴニストモノクロナール抗体Lexatumumabとテムシロリムスとの併用でACHN細胞や初期腎癌培養細胞を24時間処理したところ、腫瘍細胞に対する相乗的な殺細胞効果は認められなかったものの、相加効果を認めた。 また、膀胱癌細胞において、Lexatumumabはアントラサイクリン系抗癌剤エピルビシンやテラルビシンとの併用による相乗的な殺細胞効果を認めた。これはカスパーゼカスケードの活性化を介したアポトーシス誘導によるものであった。 なお、タンパク質合成阻害剤アニソマイシン単独及び抗TRAIL受容体1 (TRAIL-R1) ヒトモノクローナル抗体Mapatumumabとの併用効果も検討した。アニソマイシンはCaki-1とNC65腎癌細胞株に対して濃度依存的に細胞障害活性を示した。また、Caki-1、NC65、ACHN腎癌細胞株と3症例の初期腎癌培養細胞をアニソマイシンとMapatumumabとで併用処理したところ、MTT試験より相乗的な殺細胞効果が認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
腎癌培養細胞に対するLexatumumabとテムシロリムスの相乗効果が認められなかった。ただし、アニソマイシンとMapatumumabとで併用による相乗効果が認められたために、その作用機序の解明に研究を遂行する。 1、Mapatumumab併用アニソマイシン療法で惹起されるアポトーシスの分子機構の解明:アニソマイシンが腎細胞癌細胞におけるTRAIL-R1の発現に与える影響をRT-PCRやフローサイトメトリー等を用いてメッセンジャーRNA、タンパクレベルで解析する。Super ArrayやTRAIL-R1に対するsiRNA)等を用いてアニソマイシンによるTRAIL-R1を介したアポトーシス誘導の分子機構を解析する。また,カスパーゼカスケードの活性化におけるミトコンドリアの役割に関しても解明する。さらに、P53、Nuclear Factor kBのアニソマイシンによるTRAIL-R1増強に与える影響を解析し、アニソマイシンによるTRAIL-R1を介したアポトーシス誘導の分子機構を解明する。 2、腎細胞癌免疫不全マウス移植モデルを作製し、薬剤の有効性と安全性の評価する。さらに、最適な投与量、投与方法などを検討し臨床応用の基礎となりうるMapatumumab併用最適な投与量、投与方法などを検討し臨床応用の基礎となりうるMapatumumab併用アニソマイシンのレジメを開発する。 3、結果のまとめと統計学的分析、学会及び学術雑誌への発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬やチューブなど消耗品を節約したために、次年度使用額が生じた。 アポトーシスキットや、タンパク質阻害剤、抗体など試薬の購入に使用する予定。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] 維持期腎移植患者に対するエベロリムス投与の検討2013
Author(s)
野島道生, 白石祐介, 樋口喜英, 上田康生, 花咲毅, 中西祐子, 楊東益, 田岡利宜也,東郷容和,鈴木透,嶋谷公宏,呉秀賢, 長池紋子, 兼松明弘, 山本新語
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Journal Title
日本臨床腎移植学会雑誌
Volume: 1
Pages: 180~185
Peer Reviewed
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[Presentation] タクロリムス使用維持期症例におけるエロベリムス血中濃度の検討2014
Author(s)
樋口喜英, 野島道生, 嶋谷公宏, 花咲毅, 長澤誠司, 橋本貴彦, 東郷容和, 呉秀賢, 鈴木透, 長池紋子, 兼松明弘, 山本新吾
Organizer
第47回日本臨床腎移植学会
Place of Presentation
奈良
Year and Date
20140312-20140314
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