2014 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌幹細胞の解析と難治性癌治療法開発への応用
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24592508
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 充宏 金沢大学, 大学病院, 講師 (50377397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 哲 島根大学, 医学部, 教授 (50272969)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は癌幹細胞の行動学(細胞社会学)についての検討を行った。 これまで我々は子宮内膜癌においてCD133、CD117が癌幹細胞マーカーであることを明らかにした。CD133あるいはCD117陽性細胞は陰性細胞に比べ細胞増殖の亢進、抗癌剤に対する抵抗性を認めた。また陽性細胞のみが造腫瘍能、自己複製能を有し癌幹細胞様の特徴を認めた。更にCD133陽性子宮内膜癌細胞は血管様構築を形成し血管内皮細胞に分化をすることができる能力を有していることを明らかにした。 近年、癌幹細胞の分化能についての議論がある。我々は陽性細胞から陰性細胞に分化することを明らかにしてきたが、癌幹細胞の分化能に関する定義が曖昧であり正常細胞、組織の様な幹細胞を中心とするヒエラルキーが存在するのか不明である。またiPS細胞のように分化した細胞が先祖返り即ち幹細胞になり得るのではないかという疑問がある。 そこで子宮内膜癌細胞の行動を監視するため本実験を行った。CD133のプロモーターにGFP遺伝子を組み込んだレトロウイルスベクターを作製し、子宮内膜癌細胞株であるIshikawa、MFE280細胞に感染させ、CD133-GFP子宮内膜癌細胞を樹立した。この細胞はCD133を発現していればGFPが陽性となり、癌幹細胞のみが可視化できるシステムである。このシステムを用いて個々の細胞を監視し癌幹細胞を中心としたヒエラルキーが存在するのかを明らかにする予定である。また本研究は、癌幹細胞と非幹細胞との間に可塑性が認められた場合これまでの概念が大きく変わる可能性があり非常に重要な研究である。
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