2012 Fiscal Year Research-status Report
老人性難聴とメタボリック症候群の関連についての基礎的研究
Project/Area Number |
24592551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山下 裕司 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00210419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 一真 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20346555)
下郡 博明 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70226273)
廣瀬 敬信 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80555714)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 内耳 / 加齢 |
Research Abstract |
我々は,加齢に伴って罹患率が増加する生活習慣病(メタボリック症候群)が内耳にも変化を生じ,それに伴って老人性難聴が促進される可能性について着目した。本研究の目的は,生活習慣病と老人性難聴の関連を明らかにし,抗加齢物質を用いた内耳保護療法を老人性難聴の予防に応用できる可能性を明らかにすることである。そのため我々は, まず,生活習慣病モデルマウスの内耳における組織学的変化,分子生物学的変化を明らかにし,その変化がどのような役割を持つのかを明らかにしたい。そして,サプリメントとして広く使用されている薬剤(コエンザイムQ10,レスベラトロール等)を投与することで,老人性難聴の治療モデルを作成,解析することを目的とする。本年度は,メタボリック症候群モデルマウスTSODの加齢と聴覚機能の変化について生理学的検討を確認し,次に加齢に伴う組織学的変化を検討した。この動物を長期間飼育し,ABR閾値を測定することで,聴覚を評価した。8か月頃より,ABR閾値の上昇が明らかと也,同時に飼育している対照マウスと比較して,有意な聴覚障害を認めた。この傾向は12か月になるとより顕著になった。また,組織学的検討では,蝸牛における血管にPAS染色陽性の物質の沈着を認め,血管内腔は狭小化していた。実際に内耳血流に変化があるかどうか検討するために,ドップラーによる血流評価を行う予定である。また,内耳における遺伝子発現の変化についても,検討を行い,現在,解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的通り,モデルマウスの聴覚評価が終了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,モデルマウスを用いて,難聴が進行するメカニズムを解明したい。そのために,内耳血流の測定など,新しい手法を用いた実験を計画している。さらに,内耳における遺伝子発現についても検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の実験(モデルマウスの聴覚評価)に変更はなかったが,実験が順調に経過したため,予定より低額に抑えられ,未使用額が生じた。引き続き,多量の動物を用いた実験を行うことから,未使用額は平成25年度の研究費と併せて,実験動物の購入費や,飼育費に研究経費を用いる。さらに,遺伝子解析のためのキットも購入予定である。
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Research Products
(4 results)