2013 Fiscal Year Research-status Report
SHG顕微鏡による増殖性網膜疾患新規病因タンパクの効率的スクリーニング
Project/Area Number |
24592687
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐々 由季生 福岡大学, 医学部, 助教 (80580315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 達朗 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30150428)
向野 利寛 福岡大学, 医学部, 教授 (40117106)
福島 修一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40362644)
吉田 茂生 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363370)
安井 武史 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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Keywords | 増殖性網膜症 / SHG顕微鏡 / コラーゲン可視化 / ペリオスチン / テナシンC |
Research Abstract |
本年度はSHG顕微鏡を用いた線維化アッセイを小型化する至適化を大阪大学荒木研究室と行った。これまで6cm Dishを用いてコラーゲンゲル上にヒト網膜色素上皮細胞を播種し、経時的変化をSHG顕微鏡を用いて定量化している。このアッセイを用いて、ペリオスチンがコラーゲンリモデリングを促進するという結果を得ている。今回、Dishを小型化することにより多数の病因候補タンパクの線維化への影響を同時に評価することを目指した。しかし、Dishを小型化することによりゲル表面が盛り上がり、観察深度でのSHG輝度が不安定になった。この弱点を克服するためにこれまで使用していた大きめのDishの比較的平坦となる中央部を特殊なスペーサーで区切る事で、一つのDish上で多数の評価ポイントを得るように試みた。現在TGFβ及びマトリセルラープロテインの一つであるテナシンCを用いてその影響を評価し、特にテナシンCに線維化を促進する可能性を認めている。また、増殖糖尿病網膜症患者から摘出した増殖膜についてSHG顕微鏡で得られた像とSMA陽性細胞及び新生血管について相関解析を行った。血管内皮細胞、細胞核、SMA陽性細胞をCD31,EthD-1,SMA抗体で同時に染色し観察した。SHG輝度は、比較的大きな血管周囲で最も輝度が高くなる事がわかった。この部位は血管を構成するコラーゲンが同軸方向に規則的に配列しているために輝度が高いことが予想された。血管成分の少ない部位では核染された細胞周囲のSHG輝度が高い傾向があり、今後SMA細胞周囲と、それ以外の細胞周囲でSHG輝度に変化がないか解析を行う予定である。また、ペリオスチン・テネシンC機能解析については九州大学眼科学教室とともに細胞増殖・遊走への影響やノックアウトマウスを用いた線維化モデルを用いて評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究では包括的遺伝子解析方法を用いて得られた増殖性網膜疾患に対する新規分子標的候補(約300)をSHG 顕微鏡を用いたコラーゲン線維リモデリングモデルを用いてスクリーニングし、動物実験などで機能の評価を行う予定である。現在このコラーゲン線維リモデリングモデルを用いてペリオスチンの線維化への影響を明らかにし、その生体内への影響についてレーザー脈絡膜新生血管モデルを用いて、血管新生後に起こる線維化課程を走査電顕及びSHG顕微鏡を用いて評価を継続中である。この方法は、今後他の新規分子標的候補の機能解析にも直接応用することが可能であり、今後の研究速度を上げるプラットフォーム作りに当たる。今回、SHGコラーゲン線維リモデリングモデルの小型化に有効な方法を見いだし、これまでの方法と比較して遜色ないか評価中である。今回の実験で新たにテナシンCが、眼内線維化に関連がある可能性を見いだしている。一方で、増殖糖尿病網膜症患者から摘出された増殖膜についても、組織を構成する構成成分と、SHG輝度との関連について検討を行い、いくつかの新しい知見が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めているアッセイ系の小型化・至適化をさらに進めて、より安定した評価系になるように改良を重ねる予定である。現在線維化促進作用を認めているテナシンCについても、再度厳密な評価を行う予定である。その後増殖性網膜疾患に対する新規分子標的候補についても有望であると考えられるものから、順次評価を行う。SHG顕微鏡を用いた増殖糖尿病網膜症患者増殖膜の評価についても、今後SMA細胞周囲と、それ以外の細胞周囲でSHG輝度に変化がないか解析を行う予定である。また、増殖膜内のペリオスチン・テネシンCの分布とSHG輝度分布との関連についても評価を行う予定である。我々は増殖膜を摘出した患者硝子体についてペリオスチンを含めた濃度評価を継続して行っており、増殖膜のSHG輝度と液性タンパク濃度との相関についても今後の研究課題と考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在実験系が主に細胞実験によるものが多いために予定より費用を抑えることが出来ている。しかしながら予定執行費用の約半分は執行済である。大阪大学にこの実験の評価系であるSHG顕微鏡があるために年数回の大阪出張が必要であり、出張旅費がかかるが、こちらも予定費用の約半分で抑えられている。最も費用がかかっていないのが人件費・謝金であるが、こちらは今後論文を作成する際に英文の校正費用や掲載費にかなりな出費が予想される。また、硝子体及び増殖膜検体管理のためにアルバイトを雇う予定である。 今後は九州大学のアニマルセンターを利用して、動物実験を行う予定であり、そのため、動物の購入及び管理費などが必要である。また、今年も大阪大学に数回出張を予定しており、研究成果発表のための学会参加費用としても旅費を使用予定である。加えて、現在ヒト増殖糖尿病網膜症患者から採取した硝子体内の病因タンパク濃度の再手術症例での濃度変化について論文投稿をしており、採択された際にはすぐに論文掲載費用として30万円ほどかかる予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Ultrastructural changes of the vitreoretinal interface during long-term follow-up after removal of the internal limiting membrane.2014
Author(s)
Toshio Hisatomi, Shoji Notomi, Takashi Tachibana, Yukio Sassa, Yasuhiro Ikeda, Takao Nakamura, Akifumi Ueno, Hiroshi Enaida, Toshinori Murata, Taiji Sakamoto, Tatsuro Ishibashi
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Journal Title
American Journal of Ophthalmology
Volume: 158(3)
Pages: 550-6
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Periostin promotes the generation of fibrous membranes in proliferative vitreoretinopathy.2014
Author(s)
Ishikawa K, Yoshida S, Nakao S, Nakama T, Kita T, Asato R, Sassa Y, Arita R, Miyazaki M, Enaida H, Oshima Y, Murakami N, Niiro H, Ono J, Matsuda A, Goto Y, Akashi K, Izuhara K, Kudo A, Kono T, Hafezi-Moghadam A, Ishibashi T.
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Journal Title
FASEB J
Volume: 28
Pages: 131-42
Peer Reviewed
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[Journal Article] 眼疾患と遺伝子 ゲノムワイド遺伝子発現解析による眼内増殖性疾患の責任遺伝子同定と治療への展開2014
Author(s)
吉田 茂生, 石橋 達朗, 石川 桂二郎, 佐々 由季生, 中尾 新太郎, 喜多 岳志, 有田 量一, 荒川 聡, 安里 良, 中間 崇仁, 有馬 充, 秋山 雅人, 小林 義行, 周 也荻, 衛藤 雅予, 藤澤 公彦, 江内田 寛, 大島 裕司, 武田 篤信, 宮崎 勝徳, 安田 美穂, 吉村 武, 村上 祐介, 平川 沙弥香, 立花 崇 等
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Journal Title
日本眼科学会雑誌
Volume: 118
Pages: 241-282
Peer Reviewed
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[Journal Article] Comparison of gene expression profile of epiretinal membranes obtained from eyes with proliferative vitreoretinopathy to that of secondary epiretinal membranes.2013
Author(s)
Asato R, Yoshida S, Ogura A, Nakama T, Ishikawa K, Nakao S, Sassa Y, Enaida H, Oshima Y, Ikeo K, Gojobori T, Kono T, Ishibashi T.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8(1)
Pages: e54191
DOI
Peer Reviewed
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