2014 Fiscal Year Annual Research Report
先天性肝疾患に対する乳歯歯髄幹細胞を用いた肝立体構造体による新規治療法の開発
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24592696
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柳 佑典 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30596664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
中山 功一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50420609)
林田 真 九州大学, 大学病院, 助教 (70452761)
孝橋 賢一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10529879)
井原 健二 大分大学, 医学部, 教授 (80294932)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医療 / 肝細胞移植 / 代謝性肝疾患 / 歯髄幹細胞 / 肝組織工学 / 人工臓器 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、ヒト乳歯歯髄幹細胞(SHED)から肝細胞への分化誘導法を確立し、この誘導肝細胞はHLA発現に乏しいだけでなく、Tリンパ球の増殖抑制やアポトーシス誘導を示すことから拒絶反応が起こりにくいことを明らかにし、マウスへの異種移植で免疫抑制剤なしでも細胞が拒絶されないことを確認した。さらには四塩化炭素投与肝障害モデルラットに対して非免疫抑制下に細胞移植したところ、移植細胞の肝臓への生着と肝障害・線維化および生命予後の改善がえられることを確認した。また、バイオ3Dプリンターを用いてヒト初代肝細胞・臍帯静脈内皮細胞・骨髄由来間葉系幹細胞を含む細胞凝集塊を積層し、立体的肝細胞組織の構築に成功し、組織学的に肝細胞の索状配列や血管内皮細胞のネットワークを認めた。また、アルブミンの産生能が高く維持されることを確認した。 本年度はまず最適な移植部位や方法の検討を行った。具体的には、肝臓内に埋植する方法と断端に移植する方法で比較し、手技的実現性、機能や細胞生存の面で最適な構造体の形状の検討を行った。また、SHED由来肝細胞より立体的肝細胞構造体を作成するためのスフェロイド作成の最適化を行った。具体的には、ヒト歯髄幹細胞より分化誘導した肝細胞を段階的に細胞数を変えてスフェロイドを作成。スフェロイド形成期間、スフェロイドサイズ、および低酸素マーカー(HIF1-α)の染色、TUNNEL染色による細胞生存率を解析し、最適なスフェロイド作成条件を解析した。さらにその結果をもとに立体構造体の作製に成功した。
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