2013 Fiscal Year Research-status Report
非創傷部位への陰圧療法の可能性を探る 末梢神経再生・移植脂肪生着増加を目指して
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24592708
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森 弘樹 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (80345305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 睦 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50311618)
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Keywords | 脂肪再生 / 神経再生 / 陰圧療法 |
Research Abstract |
2年目の2013年度は<研究1:陰圧療法が皮弁内タ知覚回復・脂肪硬化に与える影響>の動物実験を終了した。肉眼的には吸引群(5日飼育 n=5、10日飼育 n=5)は皮弁が浮腫状となり、吸引終了時では組織の厚みが感じられ、10日目ではその浮腫は治まっていた。皮弁は吸引群でのみ血流不全を認め、平均30%程度の面積で血流不全が認められた。組織学的な比較を行ったところ、コントロール群(5日飼育 n=4、10日飼育 n=5)に比べて吸引群の方が炎症細胞が多く出現する傾向にあった。組織の厚みを表皮、真皮、皮下組織においてそれぞれ、5日飼育群、10日飼育群で、比較した。表皮では吸引群で有意差はないが増大する傾向が認めた。また5日群よりも10日群で増大する傾向を認めた。真皮においても同様の傾向を認めた。皮下組織ではそのような傾向はなく、同等、むしろ吸引群で減少した。免疫染色において神経ペプチドの一つであるsubstancePでは吸引群の真皮で陽性細胞が多い傾向があった。 <研究2:陰圧療法が移植脂肪生着に与える影響>の予備実験を行った。マウス2匹に対し、術前吸引1週ののち人脂肪を0.5gと1gを背部皮下にそれぞれ移植した。術後は1gマウスで5日、0.5gマウスで10日の吸引を行った。術後4週で屠殺したところ、移植脂肪1gは0.48gに、0.5gは0.29gに重量が減少した。 <研究3:陰圧環境下(伸展培養)における神経細胞の培養><研究4:陰圧環境下(伸展培養)における脂肪細胞の培養>の予備実験として線維芽細胞の培養を試みたが、条件設定の段階にとどまっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験施設の改修が行われており、8月から1年間代替施設での実験となった。このため、飼育・実験スペースが限られ、研究2の本実験は施行困難な状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1については免疫組織染色の未施行分を行い、脂肪細胞の状態につき評価を行う。 研究2は本実験を行う。患者の同意に基づき、手術中に不要となった脂肪組織を採取し、遠心分離ののちヌードマウスの項部に0.5cc注入して移植する。移植前から陰圧治療を行う。コントロール群はつけずに経過をみる。移植後2日目から術後2週まで陰圧療法を再開する。移植脂肪組織は4週目に採取し、免疫組織学的検索(CD34, perilipin, Ki67での一次抗体染色と二重蛍光染色)などを行う。実験群として、脂肪移植のみを行うものと、移植時にbFGFを埋入したゲルを注入し徐放させるもの、コントロール群として脂肪移植のみを行うものを設定する。これらにより陰圧療法とbFGF添加の脂肪移植に対する効果を評価したい。 研究3, 4は条件設定ののちに神経細胞、脂肪細胞の伸展培養を行う。評価法は増殖曲線とGPDHアッセイによって行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験の遅れによりヌードマウス購入額が予定よりも少なかった。 ヌードマウスの購入と飼育費にあてる予定である。
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