2014 Fiscal Year Annual Research Report
非創傷部位への陰圧療法の可能性を探る 末梢神経再生・移植脂肪生着増加を目指して
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24592708
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森 弘樹 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (80345305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 睦 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50311618)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 陰圧療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目の2014年度は<研究2:陰圧療法が移植脂肪生着に与える影響>の動物実験を終了した。8~9週齢のBALB/cSlc-nu/nu(15~19g)に術前1週、術後2週の陰圧治療を行い、ヒト脂肪(女性化乳房、腹部皮弁)をミンチし遠心1200g 3minののちに0.5ccをマウスの背部皮下に18Gで注入した。術後4週で屠殺した。実験群はa群 吸引なし n=4、b群 吸引あり n=3、c 吸引+bFGF (1μg/徐放ゲル2mg) n=3とした。その結果、移植脂肪残存率は a: 85%, b: 72%, c: 60%であった。脂肪細胞数はa: 3.7/mm2, b: 5/mm2, c: 10.9/mm2であった。血管数はa: 6/mm2, b: 2.5/mm2, c: 3.7/mm2であった。 <研究4:陰圧環境下(伸展培養)における脂肪細胞の培養>の実験も終了した。培養細胞は、成熟ラットの皮下白色脂肪細胞キット(コスモバイオ)を用いた。伸展装置は、培養細胞伸展システム及び有効面積4cm2のシリコンチャンバー(ストレックス)を用いた。チャンバーにはコラーゲンをコーティングした。80×104個の脂肪細胞を播種後4日目に、ストレッチ群に対し、1日1回10時間、20%長の伸展刺激を与えた。コントロール群は伸展をしなかった。伸展開始後1日目、2日目、3日目、及び4日目に細胞を回収した。生細胞数のカウント及び脂肪合成活性の指標となるGPDH活性の測定を行った。 結果) 1チャンバーあたりの生細胞数は、コントロール群で1日目:28×104個、2日目:44×104個、3日目:68×104個、4日目:70×104個と増加した。ストレッチ群では、1日目:63×104個、2日目:28×104個、3日目:29×104個、4日目:14×104個と減少した。GPDH活性は、細胞1010個あたりに換算すると、コントロール群では1日目:140U、2日目:254U、3日目:192U、4日目:200Uであり、ストレッチ群では1日目:154U、2日目:189U、3日目:115U、4日目:175Uであった。2日目に上昇し、以降横ばいの傾向にあった。
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