2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592710
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥山 和宏 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40314017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 俊路朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00378192)
亀井 譲 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10257678)
西田 佳弘 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50332698)
高成 啓介 名古屋大学, 医学部付属病院, 病院助教 (80378190)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 術後化学療法 / 皮膚創傷治癒 |
Research Abstract |
われわれは各実験モデルを用いて術後化学療法が皮膚創傷治癒に及ぼす影響を実験的に検討する。平成24年度は抗がん剤単剤の投与量を決定し、皮膚壊死モデルで皮弁の生存長・創抗張力に与える影響を検討した。 ①抗がん剤・投与量の決定 抗がん剤はアドリアマイシン(ADM)を選択した。投与量は従来動物実験で使用報告されている量(15 mg/kg)で腹腔内投与した。 ②術後化学療法が皮弁壊死モデルで皮弁の生存長・創抗張力に与える影響 Schurmannの背部皮弁を予定していたが、壊死範囲が一定しなかったので、McFarlaneの背側皮弁に変更した。実験動物はSDラット7週齢を使用し、イソフルレンによる全身麻酔下で尾側を基部とする幅20 mm長さ40 mmの背部皮弁を拳上した。皮弁採取部を縫縮後にその上に皮弁をもとの長さになるように逢着した。皮弁の生存長は術後1日で40.8 mm、2日で31.1 mm、3日で26.9 mm、4日で25.7 mmと漸減し術後5日以降25 mmでほぼ一定であった。皮弁を採取して縫縮した部分の創抗張力は、術後2日で55.6 gf、4日で66.2 gf、6日で300 gf、8日で578.4 gf、10日で686.4 gfであった。実験群としてアドリアマイシンを投与する群(ADM群)と、コントロール群としてPBSを投与する群(PBS群)を比較した。抗がん剤の投与時期は、術後0日、2日、4日、6日、8日とした。ADM群とPBS群で皮弁長に差異はみられなかったが、術後2日と術後4日での投与で、創抗張力はADM群で投与後2日で約25パーセント減少する傾向がみられた。HE染色、トリクローム染色など組織学的に検討中である。また、創部のコラーゲンの指標となるhydroxyprolineの測定は準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していた皮弁壊死モデルを各種条件を変更して行ったが、一定した壊死が得られず他の皮弁壊死モデルに変更を余儀なくされたことで大幅に計画が遅れた。また、創抗張力の測定にも手間取り、実験が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の組織学的評価の結果を待って、解析すべき時期に絞って生化学的解析を行う予定である。また、そのほかの抗がん剤は手配済みで、順次これらでも同様の実験を地道に行う予定である。今年度の前半で遅れた部分を終了することを目標にしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次に、本来平成25年度予定の、皮膚分層欠損モデルを用いて上皮化に与える影響、皮膚全層欠損モデルを用いて炎症反応・肉芽形成・上皮化に与える影響を検討する。抗がん剤の使用には慣れている時期なので、組織学的分析が中心となる。
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