2014 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経損傷後におけるニューロン・グリア相互作用の解明
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24592729
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
伊関 憲 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70332921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肝障害 / 核内脂質代謝酵素 / 凍結脳損傷 / プロテオグリカン / グリオーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの研究により、中大脳動脈閉鎖による脳梗塞モデルや凍結脳損傷モデルにおいて、正常では神経細胞に発現するDGKζが脳損傷部位ではミクログリアに発現誘導されることを報告してきた。また一方では、脳損傷部位にはグリオーシスに関連する種々のプロテオグリカン類が発現されることも明らかにした。さらに、DGKζが低酸素暴露後に神経細胞の細胞質から核内に移動する現象を見出し、この現象が脳保護に関与する可能性を見出した。このような背景の下、本研究ではDGKファミリーと脳損傷部位に発現する転写調節因子やプロテオグリカン類との関係を検討した。本研究ではDGKファミリーであるDGKα、β、ζ、εノックアウト(KO)マウスにおいて凍結脳損傷を作製し、アストロサイトのマーカーであるGFAP、ミクログリアのIba-1等の抗体を用いて免疫染色を施行し、その形態学的検討を行った。しかし、DGKα、β、ζ、εのKOマウスでは脳損傷後のグリア細胞の発現や形態に変化は認められず、これらアイソザイムとグリオーシスの関連は低いと考えられた。そこで中枢神経以外の他の臓器において、組織障害後の再生過程におけるDGKファミリーの役割を検討した。これまでの実験により、正常肝臓ではDGKα、ζ、εのアイソザイムの発現が認められ、このうち肝切除後の再生過程においてはDGKζの発現が増加することが明らかになっている。そこで四塩化炭素投与による肝障害モデルを作製し、上記DGK-KOマウスを用いた実験を行った。その結果、野生型マウスと比較し、DGKα-KOマウスにおいて肝線維化マーカーが著しく亢進し、肝障害後の線維化過程にはDGKαの関与が示唆された。
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