2012 Fiscal Year Research-status Report
重症患者の予後予測マーカーとしての末梢血アデノシン三リン酸の有用性の評価
Project/Area Number |
24592739
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小野寺 睦雄 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70378199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 匡司 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10172701)
中瀧 恵実子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60467818)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 集中治療 / 重症度評価 / ATP |
Research Abstract |
集中治療を必要とする重症患者の治療成績の向上のためには、前提として重症度評価・予後予測の指標が必要である。従来から用いられているAPACHE IIスコアやSOFAスコアは、生理学的パラメータや検査データなどから数学的モデルに基づいて重症度を評価する指標であるが、モデルと実際の患者群との差異による限界がある。IL-6やTNF-αなどの炎症性サイトカインは侵襲による生体反応の大きさを反映するものの、必ずしも臓器障害の程度とは一致しない。 ATP(アデノシン三リン酸)は生体内におけるエネルギー代謝の最終産物であり、エネルギー代謝を反映したバイオマーカーとなる可能性がある。類似のバイオマーカーとしては乳酸があるが、乳酸が嫌気性代謝に関与した間接的な指標であるに対して、ATPは生体内において利用されるエネルギーそのものであり、より精度の高い重症度評価や予後予測のバイオマーカーとして有望と期待される。本研究は集中治療を必要とする重症患者において、重症度評価・予後予測のバイオマーカーとしての末梢血ATP濃度の有用性を検証することを目的とした。 本研究は集中治療を必要とする重症患者の末梢血ATP濃度を経時的に測定すると共に、患者の属性、基礎疾患、転帰、在院日数およびICU在室日数、不全臓器数、他の重症度評価・予後予測指標(APACHE IIスコア、乳酸値など)に関するデータを3か年かけて収集し、ATPと予後との関係、および他の指標と比較した精度の優劣を解析する。本年度は3か年のうちの1年目であり、重症患者の中でも敗血症の患者を対象として15例の検体採取、データ収集を行いながら、同時に施行上の問題点を検討した。検体採取・処理およびデータ収集作業は問題なく施行可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体採取や処理、データ収集の作業は当初の計画通り行うことができた。 対象症例数は年間50症例程度を見込んだが、本年度は初年度であり敗血症患者に対象患者を限定したこと、また当初の見込みよりも対象となる症例が少なかったため目標を下回った。症例数が見込みより少なかったため、本年度はデータの解析を行わず、次年度以降のデータと併せて行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も引き続きデータ収集作業を行う。本年度は集中治療を必要とする患者の中でも敗血症患者に限定したため当初見込みの目標症例数を下回ったが、データ収集作業自体には支障はなかった。次年度以降は当初計画通り対象患者を敗血症患者以外にも拡大して症例数の蓄積をはかる。症例がある程度蓄積した時点で末梢血ATP濃度と患者予後との相関、末梢血ATP濃度の経時的変化と患者予後との関係および末梢血ATP濃度の経時的変化と患者予後との関係についての解析を加える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度以降も検体採取・処理を行うため、シリンジ、スピッツ、マイクロピペット用チップ、センサー等の消耗品への使用を予定している。また収集したデータの保存・整理のための記憶媒体、ファイル等の購入を予定している。情報収集、成果発表のため関連学会への参加を予定している。 次年度への繰越額は、同様に検体採取・処理用消耗品、記憶媒体に使用予定である。
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