2012 Fiscal Year Research-status Report
最適化手法を用いた骨質評価法とインプラント形状の選択法の確立
Project/Area Number |
24592892
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高山 芳幸 北海道大学, 大学病院, 講師 (30236369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 紘子(佐々木紘子) 北海道大学, 大学病院, 助教 (10511686)
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210627)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | デンタルインプラント / 有限要素法 / 最適化 / 骨質 / 診断 |
Research Abstract |
近年,欠損補綴の一手法として確立されたデンタルインプラントであるが,埋入する部位の骨の量と質によっては,サイズの大きなインプラントを用いたり,あるいは骨造成等が必要となるようなことがある.その判断基準のひとつとして,Lekholm とZarb による分類やMischの分類などが広く用いられている.しかし,いずれも明確な数値的基準はないか,あっても根拠が不明確であるうえ,その分類結果に基づくインプラントの選択は術者の経験と主観によって判断されているのが現状である. そこで,最適化手法を応用して,骨質を表すパラメータ(皮質骨厚:0.5-2.0mm,海綿骨のヤング率:0.25-7.93GPa)を種々変化させた有限要素解析を行い,骨の最大ひずみを評価値として応答局面を作成し,そのパラメータの影響を解析した.その結果,皮質骨厚よりも海綿骨のヤング率の物性の影響が大きいことが示された. 次に,インプラントのサイズを種々変更し,Mechanostat theory (Frost)に基づいてインプラントの適否を検討した.海綿骨のヤング率はMischの分類D3に相当するCT値よりKeyakの変換式に基づいて算出して決定した(0.1-1.5GPa).その結果,垂直荷重に対しては,海綿骨のヤング率が0.5GPa以上であれば,インプラントのサイズを大きくすることで生理的なひずみの限界値を超えないことが示された.また,頬側に30度傾斜させた方向から荷重を加える側方荷重でも,同様に海綿骨のヤング率が0.5GPa以上であれば,インプラントのサイズを大きくすることで生理的なひずみの限界値を超えないことが示された.しかし,0.5GPaを下回る場合には,インプラントのサイズの変更のみではひずみを生理的な範囲に抑制することは困難と考えられ,この値がひとつの目安となり得ることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は骨質のカテゴライズを目指していた。しかし、骨質のパラメータ(皮質骨厚、海綿骨の物性)が、CT画像や、CT値から近似計算できる値であるため、骨質を一度カテゴリー化してからインプラントサイズの最適化を図るよりも、骨質のデータに基づいて、直接インプラントサイズの最適化を行った方が臨床的に有用であると考えられた。したがって、当初挙げた、骨質のカテゴライズは達成されているとはいえないが、客観的なインプラントの選択、という点ではおおむね目的が達成されたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後インプラントサイズの最適化をはかり,骨質に合わせた適切なインプラントサイズの選択基準を決定する.また,実際のCTデータから有限要素モデルを構築する手法を確立し,最終年度に予定されている,臨床医の選択したインプラントサイズと本研究の結果により導き出されたインプラントサイズの相関を検討して,その妥当性を検証する研究の準備を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)