2013 Fiscal Year Research-status Report
最適化手法を用いた骨質評価法とインプラント形状の選択法の確立
Project/Area Number |
24592892
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高山 芳幸 北海道大学, 大学病院, 講師 (30236369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 紘子 (佐々木 紘子) 北海道大学, 大学病院, 助教 (10511686)
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210627)
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Keywords | デンタルインプラント / 骨質 / 最適化 / 有限要素法 / 診断 |
Research Abstract |
昨年度は,骨質を表すパラメータ(皮質骨厚:0.5-2.0mm,海綿骨のヤング率:0.25-7.93GPa)を種々変化させた有限要素解析を行い,骨の最大ひずみを評価値として応答局面を作成し,そのパラメータの影響を解析した.本年度は,さらに最大相当歪みの現れる位置について検討を加えた.その結果,海綿骨のヤング率が低い場合はインプラント先端部周囲の海綿骨に最大ひずみが生じ,高い場合はインプラント頚部付近の皮質骨に最大ひずみが生じることが明らかとなった.また,最大相当歪みが生理的な適正値とされる値を超える場合は,インプラント先端部周囲の海綿骨に最大歪みがみられたことから,この部分の歪みを小さくするようにインプラントの形状や材質を改良すると,力学的により好ましいインプラントとなることが予想された. 一方,各々の皮質骨の厚さと海綿骨のヤング率との組み合わせについて,骨質に合わせたインプラントサイズの最適化をはかった.すなわち,骨内の最大歪みが生理的な限界値を超えずにインプラントのサイズを最小化することを試みた.インプラントサイズは直径を4mmで固定し長さを最適化する場合と,長さを10mmに固定し直径を最適化する場合の2通りについて行った.その結果,直径の変更のほうが歪みの低減には有効であり,皮質骨厚と海綿骨のヤング率の双方がともに小さい場合を除いて,力学的に適正な範囲のひずみに抑えることが可能な最小のインプラントサイズが示された. また、当該年度に購入したmimicsを用いて、乾燥頭蓋骨のCTデータよりモデルの作成に至る一連の手順を確認した。北海道大学病院倫理委員会の審査を受け、実際の症例についてモデルを作成し分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各骨質における、最小限のインプラントサイズを理論値として算出できたので、本年度までの予定はおおむね達成されていると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
乾燥頭蓋骨のCTデータよりモデルの作成に至る一連の手順を確認したので、北海道大学病院倫理委員会の審査を受け、実際の症例についてCT画像に基づいてモデルを作成する。平成25年度に作成した選択基準が実際に選択されたインプラントのサイズと合致しているか、また、実際に選択されたサイズで生体力学的に問題がないか、あるいは逆に臨床医はどの程度の余裕をみているのか、等について検討する予定である。 ただし、モデル作成にやや時間を要すると予想されるため、当初は骨質の状態を考慮し、代表的と思われる症例についてのみ検討する.多数の症例について解析を行うことができれば、理論値と実際の相関を求める等の統計的な処理を試みる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要な物品等は全て購入できたことから、次年度分と合わせて有効に利用すべきと判断した。 プリンタトナー、データバックアップ用メディア等の消耗品購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)