2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592919
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西川 啓介 徳島大学, 大学病院, 講師 (10202235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郡 元治 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50253216)
田島 登誉子 徳島大学, 大学病院, 助教 (80335801)
鈴木 善貴 徳島大学, 大学病院, 医員 (40581393)
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Keywords | ストレス / 咀嚼能力 / クロモグラニンA / EMG |
Research Abstract |
咀嚼能力が実験的な環境で与えられた急性ストレスに及ぼす影響を調査する目的として健常成人被験者を対象として以下の研究を行った。内田クレペリンテストを実験的ストレスとして用い、テスト前とテスト直後並びにテスト終了10分後に、唾液の採取を行い、唾液中に含まれるストレスマーカーの一種であるクロモグラニンA(CgA)の定量分析を行った。実験はクレペリンテストテスト終了後、安静を務めた条件と、ガム咀嚼を3分間行う条件の二回を繰り返して行い、それぞれの条件でCgA値の変化を比較した。また各被験者の咀嚼能力を咀嚼能力判定用色変わりガムを用いて数値的に評価した。 この結果、内田クレペリンテストによるストレス負荷後のCgA値は、ガム咀嚼を行った条件では有意に減少することが明らかとなった。一方ガム咀嚼を行わず安静を務めた条件ではテスト終了直後と10分後のCgA値に明確な変化は認められなかった。またガム咀嚼前後のCgA値の変化量と、咀嚼能力の間に有意な相関が認められた。この結果は、咀嚼能力が高く良く噛める被験者ほど、より効果的なストレス緩和効果がガム咀嚼により得られることを示していると考えられた。 本研究の成果の一部はIADR Asia/Pacific Region(2013年8月21-23日、バンコク)において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の結果より本研究課題の目的である「噛みやすさ」や「良く噛めること」が咀嚼によるストレス緩和効果に与える影響を明らかにすることができた。本研究の成果の一部は、現在査読のある欧文誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者の測定に引き続いて、咀嚼機能に障害をもつ被験者群を対象にして歯科治療による咬合機能の回復がストレスに及ぼす影響について調査を行うよう予定している。 また噛みしめ習癖やブラキシズムを伴う顎機能障害を対象とすることで、パラファンクションとストレスと関係についても検討を行い、噛むこととストレスの相互関係の総合的な検証を行いたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当年度における使用状況は、ほぼ計画通りであったが初年度からの繰越金があったため次年度使用額が生じた。 研究成果発表のための海外旅費としての使用を予定している。
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Research Products
(3 results)