2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592972
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
李 憲起 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (60350831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 静 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (50410436)
各務 秀明 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (80242866)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インプラント / スタチン / 骨代謝 / 骨形成 / リバウンド / 炎症サイトカイン / チタン / micro-CT |
Outline of Annual Research Achievements |
BALB/cAJclの大腿骨および脛骨の皮質骨より皮質骨由来細胞(compact bone derived cells, CBDCs)を採取し、24wellプレートを用いて10%ウシ胎児血清(FBS)および1%ペニシリンーストレプトマイシンを含むAlpha Modification of Eagle’s Medium (MEM-α)培地にて培養し、コンフルエントに達した後、細胞を直径35㎜シャーレに1×105/mlの細胞数で播種し、培養液を50μg/mlのアスコルビン酸、10mMのβ-グリセロリン酸と100nMデキサメタゾンを添加した10%FBSを含むMEM-α分化培地に交換し、さらに0.01μM、0.1μM、1.0μMのシンバスタチンを加え、それぞれ1、3、7日間として培養を行った。シンバスタチンを作用させた後、上清を回収し、IL-1β、IL-6およびTNF-α定量用ELISAキットを用いて上清中のサイトカイン量を定量した。また、投与中7、14、28日目の非脱灰標本を作製し、インプラント体周囲骨の影響について、組織学的に検討した。その結果、IL-1β産生量は測定検出限界以下のため測定不可であった。IL-6およびTNF-α産生量は時間と共に徐々に減少がみられたが、有意差はなかった。組織学的所見では、シンバスタチン短期投与中止群に比べ、長期投与中止群において明らかな骨量の差は認められなかった。本研究においては、シンバスタチンの全身投与はインプラント体周囲の骨形成を促進することが示唆された。一方、一過性に投与終了後比較的短期間でインプラント周囲の骨量は有意に減少し、結果としてインプラント初期固定に影響を与える可能性が示唆され、今後さらにシンバスタチンの多面的効果を検討し、より安全な骨形成促進の最適な条件を解明していくことが必要である。
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