2012 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症児における口腔機能向上のための舌挙上装置の開発
Project/Area Number |
24593092
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡崎 好秀 岡山大学, 大学病院, 講師 (70169100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 慶子 岡山大学, 大学病院, 助教 (50335618)
假谷 直之 岡山大学, 大学病院, 助教 (80177625)
西村 美智子 岡山大学, 大学病院, 助教 (20172702)
RODIS Omar 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50457199)
尾形 小霧 岡山大学, 大学病院, 講師 (30169172)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ダウン症児 / 口腔機能 / 舌拳上装置 |
Research Abstract |
ダウン症児は,口腔周囲筋の低緊張がよだれや構音不明瞭など多くの問題の原因となる。そこで,リンガルアーチのワイヤー部で舌を挙上し,口腔機能の発達を促す装置を発案しその有効性について調査した。ダウン症児12名(4歳~12歳)を対象とし,装着前の口腔機能の問題点,装着後の改善点について,アンケート調査とともにビデオ解析により2名の評価者が判定した。 結果I装着前:1)常に口が開いている(83.3%),2)風邪をひきやすい(100%),3)よだれが多い(58.3%),4)イビキをよくかく(66.7%),5)発語の程度:出ない・喃語(25%),単語(33,3%),二語文(33,3%),会話(8,4%), 6)マンマやブーなどの口唇音が出ない(25%),7)言葉が聞き取りにくい(100%),8)全身的疾患: 気管支炎(66,7%),中耳炎(50%),扁桃腺肥大(41,7%)であった。これらの問題は,ダウン症児特有の口腔周囲筋の低緊張により発現している可能性が高いと考えられた。 結果II装着後の変化:1)口が開いている時間:少し減った(50%),非常に減った(42%),2)よだれの状態:一時的に増えたがその後減った(8%),少し減った(17%),非常に減った(58%),3)イビキの状態:少し減った(33%),非常に減った(33%),4)発語の程度:出ない・喃語(0%),単語(0%),二語文(92%),会話(8%),5)マンマやブーなどの口唇音が出る(100%), 6)言葉が聞き取り易くなった(92%), 7)言葉が出るようになり性格が明るくなった(92%),8)自発的に話をするようになった(92%), 9)保護者や家族がわかる言葉が増えた(92%)など本装置により多くの口腔機能の改善が認められ言葉が聞き取り易くなったことで,対人関係にも影響を与えていた。以上により,本装置の有効性が示唆された。
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Research Products
(2 results)