2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
乗松 貞子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80208404)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アロマ足浴 / 脳波解析 / 睡眠潜時 / 心電図解析 |
Research Abstract |
今回の研究の目的は、看護ケアである足浴に注目し、鎮静・リラクセーション効果があるといわれているラベンダー精油を滴下した温湯で両下腿の足浴(以下、アロマ足浴)を行った場合の入眠効果について、生理・心理的指標を用いてさら湯との比較により明らかにすることである。今回は、脳波、心電図、深部体温による生理学的指標とVisual analogue scaleを用いた熟睡感やOSA睡眠調査票による心理指標を用いて入眠効果を明らかにする実験に取り組んでいる。また性差による違いも明らかにすることを目的にしている。24年度は、まず愛媛大学大学院医学系研究科看護学専攻倫理審査委員会の倫理審査を受けるための研究計画書の作成、実験協力者の依頼および実験機器や必要物品の整備を行った。倫理審査の承認を得た後、まず20歳代の女性15名を被験者にして、さら湯の足浴(コントロール群)とアロマ足浴(アロマ群)の両方に参加してもらった。2種類の足浴を同日には実施できないため、順序効果を相殺したラテン方格法にて無作為化を図った。データの分析は脳波からは睡眠潜時、心電図からLF/HF(交感神経活動)HF(副交感神経活動)、深部体温、熟睡感はVASで数値を計算およびOSA睡眠調査票の集計を行った。25年度には同じく男性を対象者にした実験を予定しており、この結果も考慮しての詳細な分析が必要と考えるため、現時点では平均値を算出した状態であり統計的解析には至っていない。 結果として、現時点では生理的データからは入眠潜時においては両群に差はなく、リラクセーション効果にも差がみられなかった。深部体温については、足浴後の入眠開始以降の深部体温の低下が両群ともに認められ、低下が緩やかであったさら湯に比べてアロマ群では深部体温が急速に低下していた。心理的データでは、アロマ足浴の方が熟睡感・心地よさともに上回っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度からスタートした実験であり、倫理審査、実験機器類の整備や実験手順の確立、女性被験者の確保に努めることができ、実験はほぼ予定通り実施することができ、女性被験者のデータを収集できた。また、分析に関しては統計学的解析には至らなかったが、平均値まで算出できた。しかし、途中深部体温計が故障するといったアクシデントにみまわれ、深部体温計を追加購入した。深部体温計については、被験者への負担を考慮した仕組みの製品を用いたことから特別注文となり、納品までに時間を要し15名の実験終了が予定より遅れた。そのために詳細な分析までに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は20歳代の男性15名を被験者として、24年度と同様の実験を計画している。男性被験者においても収集したデータの解析を予定している。25年度で男女のデータ収集を全て終える予定であり、今後両群における収集したデータの詳細な分析・比較を実施していく予定である。 データ収集およびデータ解析がスムーズに進めば、研究成果の一部を学会で発表(日本看護研究学会)するための演題登録を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度も男性被験者を対象として24年度と同様の実験を計画しているため、主に実験協力者およびデータ解析補助者の雇用を予定している。脳波測定関係の消耗品も若干購入する。
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