2012 Fiscal Year Research-status Report
関節疾患患者の在宅運動療法継続に向けての双方向性ICTシステムの考案
Project/Area Number |
24593295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上杉 裕子 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (40423230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 隆之 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10379373)
西井 孝 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70304061)
黒田 良祐 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80379362)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 運動療法 / ICT / リハビリテーション |
Research Abstract |
高齢者化社会に伴い増加している関節疾患患者が在宅において運動療法を継続し、身体機能を維持・拡大していくことを目的とし、Webページを考案・開発した。Webページタイトルは「KOBE発ステップアップ式ネットリハ」、サブタイトルは「自宅でできる!インターネットリハビリテーション 膝・股関節の治療を受けられる方への医療者からの贈り物」とし、コンテンツは患者が行う運動を紹介した「運動メニューを見る」、患者の運動実施の実際を確認するための「動画を投稿する」、運動の実施状況を記録できる「記録する」、日常生活動作機能を評価するための「採点する」、感想や質問ができる「医療者とつながる」、読み物として楽しめる「ネットリハだより」、Webに関する「お問合せについて」とした。利用に当たり、利用者の個人情報が漏洩しないよう、WebにログインIDとパスワードを設定した。 「動画を投稿する」では、患者が運動している様子を撮影し、Webページにそのファイルを投稿し、医療者が確認する、という仕組みとした。撮影はパソコンやデジタルカメラ、タブレットや携帯電話からできるようにした。パソコンから撮影する場合、カメラが内蔵されているパソコンを利用するか、内蔵されていない場合は小型のカメラを取り付けて撮影することとした。 開発したWebページを関節疾患患者4名、看護学生4名に使用してもらい、Webページの操作性についてインタビュー調査を実施した。結果は、【コンセプト】【正確さ】【軽快さ】については「わかりやすくて良い」との回答が得られた。【量】【読み易さ】【タイトル】【ページ構成】【在宅運動療法継続への効果】については「興味を持てるような工夫がほしい」との意見があった。今後はそれらの工夫と、このWebによる運動療法介入効果の検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、H21年度科学研究費補助金による研究で効果の確認されたDVDによる運動を継続するための方策として、在宅の関節疾患患者と医療者が双方向につながるICTシステムを考案し、その運動継続効果を検証することを目的としている。初年度である平成24年度は「患者が運動を継続できるICTツールとして運動療法Webを開設する」こととしており、Webの開発は予定通りに進捗し、患者から直接感想を聞くことによって、その有用性が確認され、平成25年度での運動療法介入の実現可能性が高まった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に制作したWebを用いて、整形外科外来の下肢関節疾患患者にサイトURLを知らせ、以下のような介入研究を行う。 1.患者の身体機能測定および記述式アンケート(日常生活機能、セルフエフィカシー)を行い評価指標とする。2.調査項目は身体機能の客観的評価としてBMIより体格、筋力計により「膝伸展筋力」、TUAGより歩行速度を明らかとする。主観的評価としてアンケート調査のNRSより「患側の痛み」、Oxford hip score、Oxford knee score より「痛みや日常生活動作」、和式生活項目より「深い屈曲を伴う動作」SF-8よりQOL、セルフエフィカシー尺度より「結果を生み出すための信念」を明らかとする。3. 医療者はWebのURLを患者に知らせ、患者に在宅でアクセスしてもらう。4. 患者にWeb上で日々の運動状況を運動日記に記録してもらう。5. 患者にWebカメラをパソコンにつないでもらい、運動状況を動画情報で医療者が確認できるようにする。6. 患者の運動状況を医療者が把握し、それに対する励ましを患者専用ページで行う。7. 患者からの病状に関する情報があれば分担研究者である担当医師にコンタクトをとる。8. 患者同士はオープンな掲示板で交流できる。(原則として本名は開示しない、患者にはID番号を振り、Web掲示板上はそのIDでアクセスする)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Web管理費 統計解析ソフトJMP購入費 学会発表旅費 パーソナルコンピュータ(Web管理用) デジタルカメラ(患者動画撮影指導用)
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