2015 Fiscal Year Annual Research Report
慢性肝炎患者に対する外来看護システムの開発とその有効性の検討
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24593313
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
島田 恵 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (20505383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正木 尚彦 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 肝炎・免疫研究センター, 肝炎情報センター長 (40219316)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 外来看護 / 肝炎 / 慢性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度までに「肝炎外来看護研修(2日間)」を2回実施し、10名の受講者に対し外来看護システム構築に向けて立案したアクションプランのフォローアップ調査を実施した(最長1年)。その結果、アクションプラン達成度50%以上の受講生は6名で、特に高い達成度は95% 1名(1年後時点)、80% 2名(6か月後時点、8ヶ月後時点)であった。高い達成度につながった理由には、受講者が外来運営の権限を持ち組織横断的に活動できる立場を活かして、病院の理念や方針に沿ったアクションプランを立案し、その達成に向けて院内協力を得ることができたためと考えられた。 達成度95%の受講生は、外来における継続看護の方法について計画書を立案し、「看護面談パス」や「療養支援フローシート」を作成し、多職種連携による新たな外来看護システムの構築を進めており、初年度の患者調査から導き出された「“患者の考える”治療の必要性や生活上の制限を聞き取ること」がシステムとして体現されたと考えられる。 また、「外来看護師育成プログラム」の受講生評価では、①自施設の外来を知るきっかけとなり、問題点を客観的に把握、分析することができた、②同じ慢性疾患の外来看護例から、外来看護の役割や機能を改めて知ることになり、自施設での実践可能性を考慮したモデルを描くことができた、③ケーススタディやロールプレイを通して、研修理解度を自己点検したり、理解が実践に結びつくかという点まで確認することができた、④外来を変えるにはまず、受講生である自分自身が変わる必要があると認識することができた、ことから、従来の知識伝達型とは異なり、アクティブ・ラーニングによる学習効果があったと考えられる。さらに、フォローアップ調査そのものがアクションプランの進捗を後押ししたことから、研修後の継続支援とセットにすることが研修効果を現場に還元することにつながると考えられる。
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