2013 Fiscal Year Research-status Report
女性アルコール依存症の回復支援システム開発に関する研究
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24593513
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
山下 亜矢子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (90614363)
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Keywords | アルコール依存症 / 女性 / 性差医療 / 回復支援 / システム構築 / アディクション / 依存症看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は,地域における女性アルコール依存症者の回復支援システムを開発することである。 平成24年度の調査結果では女性アルコール依存症の回復支援に対する課題について,アルコール依存症治療施設,精神保健福祉センター,自助グループ別に量的に分析を行った。 平成25年度は,平成24年度に実施した調査結果に基づき,女性アルコール依存症の回復支援に対する課題について,臨床や回復支援に関わる実践者からスーパーバイズを受けつつ,アルコール依存症治療施設,精神保健福祉センター,自助グループ別に,質的帰納的にデータ分析を進めた。分析対象は女性アルコール依存症者の回復支援への課題について記述を行った85名(アルコール依存症治療施設45名,精神保健福祉センター16名,自助グループ24名)である。分析方法はデータから重要アイテムを抽出し,アルコール依存症治療施設,精神保健福祉センター,自助グループの各グループにおいてサブカテゴリー,カテゴリーの順に集約し,マトリックスの形に整理し,複合分析を行った。その結果,女性アルコール依存症の回復支援に対する課題として,【相談体制の整備】【医療体制の整備】【治療継続支援】【地域における回復への支援】【普及啓発活動の推進】【多機関連携による支援体制の整備】【家族支援体制の整備】【子育て・家事支援】が明らかとなった。調査結果の分析とともに,回復支援施設や自助グループ等へのフィールドワークも同時に行った。 本調査結果にて課題として抽出された【普及啓発活動の推進】については,研究者が「女性のアルコール依存症」を特集としたTV番組に出演することにより,女性の飲酒率の動向やアルコール依存症治療等について解説を行うことで普及啓発に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度はデータ分析を行い,考察を深めていくことができた。今後は調査結果について研究報告書を早急に作成し協力機関へ研究成果を還元していく。また,回復過程にある女性アルコール依存症者を対象にしたインタビュー調査結果について質的帰納的分析を進めていき,結果を学会発表や論文として成果発表を行う。今後さらに全ての調査結果を統合し,女性アルコール依存症者への回復支援システムモデルを提示していく。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様に,岡山市内および東京への調査やフィールドワークへの事前準備として打ち合わせ,成果発表のための学会出張に関する旅費,会議開催に必要な会議費について支出の予定である。成果発表においては報告書作成,学会誌投稿に必要な翻訳料等も支出していく。 また,調査結果について臨床や回復支援に関わる実践者からスーパーバイズを受けるための人件費を支出する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査結果の研究報告書作成と配布について,若干遅れが生じているため。 平成26年度5月の研究報告書完成と配布予定に向け準備中である。
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Research Products
(2 results)