2013 Fiscal Year Research-status Report
子どもとの継続的世代間交流はアルツハイマー病者の生活の質を維持改善するか
Project/Area Number |
24593534
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
六角 僚子 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (10382813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 小百合 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (20238182)
関 由香里 東京工科大学, 医療保健学部, 助手 (20613285)
本間 昭 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修東京センター, 医科学研究所, センター長 (40081707)
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Keywords | 老年看護学 / アルツハイマー病 / 世代間交流 |
Research Abstract |
当研究は、子どもとの継続的世代間交流はアルツハイマー病者の生活の質を維持・改善するかどうかを検討するものである。研究目的を達成するための研究計画・方法は子どもとのかかわりを継続的にもつ世代間交流の介入研究であり、対象群はA市の通所介護施設2か所に通う、臨床的にアルツハイマー病と診断された者10名ずつとする。介入群:保育園児との長期的かつ継続的な世代間交流プログラムに参加するアルツハイマー病者10名 比較群:保育園児との世代間交流の機会を持たないアルツハイマー病者10名 25年度は介入研究を継続し、1年後、1年半後の中間評価を実施した。評価にあたっては7種の尺度を活用し、今後も26年度8月まで実施予定である。現在はデータ分析中であり、SPSSによる繰り返しのある二元配置分散分析を用いている。介入群では比較群に比べ、気分状態評価Philadelphia Geriatric Center Affect Rating Scale(PCG-ARS)において有意差のある3項目が分析された。「楽しみ」が交互作用F値12.696**<.01、「関心」が交互作用F値5.793**<.01、「満足」が交互作用F値5.753**<.01であった。また生活の質QOL-ADはpre-testと変化なく変わらず維持できている。 子どもとの継続的なふれあいがアルツハイマー病者の認知・情動・意欲などの精神機能に訴え、アルツハイマー病者は活力が与えられ、生活の質の維持・改善が図れると考えられる。一方子どもたちにも高齢者への接し方の変化がみられ、高齢者を怖がらなくなったり、積極的に接する姿勢がみられている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者が全員高齢者であるため、高齢者の急病・事故による入院や入所などで、当初のグループで準備していた10名の対象が減ってきているが、その状況も想定内ではあったため、対象者が少ない中でのデータ分析を実施している。 研究計画は順調に進んでおり、毎日の世代間交流が行われ、子どもたちも高齢者との触れ合いを楽しみにし、お気に入りの高齢者のひざに毎朝抱っこされている風景もある。高齢者から子どもたちが来るのを楽しみにしている言葉が聞かれている。月一回は「お達者倶楽部」と称し、子どもたちとその両親、デイサービス利用者とその家族が参加できるように企画実施している。26年2月に18か月経過後の評価を行っている。現在分析中であるが、おおむね効果がある値である。その中間報告を第15回認知症ケア学会で報告予定である(2014.6.1)。またGeriatric Nursing Journalへの論文投稿へ向け執筆中である また研究協力者である、アクティビティディレクター6名、保育士4名との連携も十分図れており、現場に混乱を与えている状況も見受けられない。アクティビティディレクターからアクティビティケアの発展性や質の向上についての評価も聞かれている。3か月ごとの会議も有意義に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はアルツハイマー病者を対象としているが、対象の状態像等のアセスメントがきわめて重要であり、研究分担者として認知症専門医が加わっていることにより得られたアウトカムを科学的および医学的に解釈し考察することができる。世代間交流の試みは国内外で行われているが、アルツハイマー病者を対象として継続的世代間交流のアウトカムを明らかにした活動あるいは研究は報告されていない。世代間交流のアルツハイマー病者にもたらす効果を明らかにし、その継続的世代間交流のモデル構築に取り組みたい。それを学会や学術論文などで発信していくことで多くの地域で活用されていくと考える。子どもとの継続的な世代間交流が地域に暮らすアルツハイマー病者に効果的な刺激をもたらすことにより、地域における認知症の理解に大きく貢献することが期待される。 (1)介入はアクティビティディレクターが中心に進めていき、H26年8月が最終評価となる。2年間の評価結果をデータ化し、介入群と対照群の比較をまとめる。(2)適宜、研究代表者、研究分担者、フィールド先協力者らと合同でのミーティングを行いながら、介入研究の進捗状況を観察し、調整をしていく。(3)平成26年度学会は18か月間介入研究についての報告を行う予定。日本認知症ケア学会、国際認知症学会(スリランカ開催)において報告予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は200円であり、妥当な次年度使用額と考える。 平成26年度は世代間交流プログラムにかかるアクティビティケア・リアリティオリエンテーション物品等の消耗品(6万円)、会議開催に伴う交通費、日当、また海外の学会報告・研究代表者と分担者、研究補助者2名参加予定、国内学会参加などの旅費(20万円)、フィールド先の事務作業、大学での事務作業の補助員、専門医への謝金などの人件費(23万円)、また取り組み記事などの発信費用(21万円)を26年度70万円の使用としていく計画である。
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Research Products
(4 results)