2014 Fiscal Year Research-status Report
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24593550
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
山本 恵子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (60274982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿山 英津子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (70588376)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 老年看護学 / 認知症 / グループホーム / 協働 / 転倒予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者を中心としたケアの重要性は多く研究されている。しかし、利用者を中心にした多職種協働の転倒予防は、自身での危険回避が困難な高齢者に不可欠であるがその実態を明確にした研究は少ない。 そこで本研究では、熊本県内の認知症対応型共同生活介護(以下、GHとする)のうち、WAM-NETで公開されている全217施設を対象に、利用者を中心にした転倒予防の実態について無記名自記式質問紙調査を実施した。その結果106施設から回答(有効回答率48.9%)を得た。9割以上のGHが転倒予防を実施していたが、情報収集から評価まですべて多職種協働介入をしていたのは約2割であった。また、利用者の参加つまり利用者への確認(観察含む)実態をみると、情報収集から評価まで利用者の思いをケアに反映していたGHは、約4割であった。利用者の思いを転倒予防にいかに反映するかについて、二次調査を実施した。一次調査で同意が得られた106施設のうち、インタビュー調査の同意が得られたのは42施設であった。二次調査では、半構造化面接法を実施した。その結果、7割のGHが利用者の声を言語・非言語のコミュニケーション手段を用いて推察し、転倒予防に反映していた。また、多職種協働介入あるいは利用者の思いを活かすことが施設環境整備にもつながり、転倒予防の一助となっていた。 認知症高齢者の転倒予防において、専門職の連携に加え利用者の思いをケアに反映する、つまり利用者参加型の転倒予防が重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で予定していた2段階調査は終了したが、成果発表が予定の平成26年度中に間に合わず、1年の延長申請を行った。延長申請が承認され、現在、その成果を順次、学会で発表している。平成27年度に入り、国内で3つの学会(うち1つは終了)、海外で1つの学会で採択が決まり、現在、発表の準備を行っている。また同時に、研究報告書および論文作成中である。延長したことで、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、学会などで成果報告を実施している。その中で、日ごろのケアを言葉にする大切さやそれが認知症の方の声にならない声になることを実感している。今後、論文にまとめる中で、先行研究を再レビューし、そのために必要な課題を明確化し、次の研究計画を立案する予定である。
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Causes of Carryover |
平成24年度からの3年計画であったが、成果発表までが当該年度にできず1年の延長申請を行い、受理された。延長申請に至った理由は、平成24年度の学内業務の多忙さにより、研究が遅れたためである。その後、研究を行い調査は無事に終了した。しかし、成果報告のみ予定の3年で終えることができず、延長申請を行い承認してもらった。そのため、成果発表および報告書作成に関わる費用が繰り越しの形で残っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定の調査はすべて終了し、平成27年度は国内で3つの学会、海外で1つの学会に発表予定ですべてエントリーは受理されている。また報告書および論文作成も並行して実施を計画し、現在進行中である。
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