2012 Fiscal Year Research-status Report
ホウ素中性子捕捉療法のための線量分布イメージング用ピンホールカメラの開発
Project/Area Number |
24601006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
片渕 竜也 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (40312798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井頭 政之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (10114852)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中性子捕捉療法 / ピンホールカメラ / ガンマ線検出 |
Research Abstract |
プロトタイプ機の設計・製作を行い、加速器中性子源を用いて特性試験を実施した。プロトタイプ機は、ピンホールコリメータ、単体のCdZnTe検出器、アンチコンプトン用のBGO検出器および2次元スキャニングシステムから構成される。CdZnTe検出器、BGO検出器を購入した。また、鉛製のピンホールコリメータを製作した。検出器をステッピングモータで駆動する2次元スキャニングシステムに固定し、ピンホールコリメータと組み合わせ、さらにボロン入りポリエチレン、鉛で検出器を遮蔽した。 プロトタイプ機の特性試験を東京工業大学原子炉工学研究所のペレトロン加速器を用いて行った。陽子ビームをリチウムに照射して発生した中性子を用いた。中性子を水ファントムに照射し、実際のBNCT照射場を模擬した。中性子とホウ素との原子核反応で発生した0.478MeVのガンマ線をプロトタイプ機により検出し、信号対バックグラウンド比を調べた。また、検出器をスキャニングシステムにより動かしてファントムからのガンマ線の射影像を取得した。実験結果から、信号対バックグラウンド比を向上させるため中性子に対する遮蔽を改善する必要があることが分かった。 画像再構成のソフトウェア開発にも着手した。また、取得したガンマ線の射影像を用いてテスト的に画像再構成を行った。再構成アルゴリズムとして、逐次近似画像再構成法を採用した。システムの応答関数をモンテカルロシミュレーションによりもとめた。さらに実験で取得した射影像を用いてテスト的に画像再構成を行った。 研究内容を中性子捕捉療法に関する国際会議ICNCT15で口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおり、ピンホールカメラのプロトタイプ機を設計・製作し、加速器中性子源を用いて特性試験を行った。また、計画どおり、画像再構成のためのソフトウェア開発にも着手し、実験データを用いて画像再構成テストを行った。特性試験の結果から信号対バックグラウンド比を向上するために中性子遮蔽の強化が必要であることが分かったが、平成25年度に十分改善可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の特性試験結果から中性子に対する遮蔽強化が必要であることが分かった。平成25年度はこの問題点を改善するためにシミュレーション等によって遮蔽の検討を行い、遮蔽強化を実施する。加速器中性子源を用いて特性試験を行い、信号対バックグラウンド比を測定し、遮蔽強化の確認を行う。 さらにイメージングまで含めた総合的な評価を行う。ホウ素が集積した腫瘍領域を模擬したファントムに加速器中性子源からの中性子を照射し、ホウ素からのガンマ線の射影像を得る。ファントムを回転させ、多角度のガンマ線射影像を取得し、開発した画像再構成ソフトウェアにより、画像の再構成を行う。得られた再構成画像から、本システムの空間分解能を評価する。また、計数率、信号対バックグラウンド比から、実際のBNCT照射場で得られるイメージング画像の精度を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)