2012 Fiscal Year Research-status Report
3D-CGを用いた乳房再建手術デザイン最適化のためのガイドライン構築
Project/Area Number |
24603025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
板宮 朋基 東京工科大学, デザイン学部, 助教 (60583896)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 手術デザイン / 乳房再建 / 3D-CG |
Research Abstract |
本研究では、3次元CGモデルを用いてあらゆる形態の乳房を3次元的に視覚化する。取りうる手術デザインに対応する移植皮膚パッチや手術痕を描画し、その審美上の点数評価を行う。しかし、3 次元CG モデル化された乳房における評価が、現実の乳房の外観における評価を正確に反映するのか否かは不明である。そこで3次元CGモデルにおける評価がはたして現実の乳房における評価を反映するか否かを、連携研究者である慶應義塾大学医学部形成外科学教室の永竿智久氏と密接に連携して検証した。 本研究では、患者の乳房をレーザースキャナで計測し、3次元形状点群データを得る。人体の3次元形状点群データ量は膨大かつ複雑なため、一般的な3次元CGソフトウェアで扱うことは困難である。交付申請時には、3次元形状点群データの変形処理には「DEPMeshWorks/Morpher」のレンタル利用が適していると判断したが、2012年5月のアルバータ大学出張による調査の結果、「FreeFormPlus」の利用の方が断然適していることが判明した。「FreeFormPlus」では、3次元形状変形処理に加えて、移植皮膚パッチや手術痕を効率的に描画することも可能であることが判明した。また、CT画像からの3次元形状作成のために「Materialize MIS base」が必要であることが判明した。 「FreeFormPlus」と「Materialize MIS base」を前倒し支払い請求の承認により新たに導入できたことにより、本来次年度から行う予定の「あらゆる形態の乳房の3次元CGモデルの作成」を本年度から開始することができた。その結果、「実写評価と3次元CGモデル評価の対比」において、3次元CGモデルの作成を大幅に効率化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
連携研究者である慶應義塾大学医学部形成外科学教室の永竿智久氏と密接に連携して、平成24年度の研究計画である「実写評価と3次元CGモデル評価の対比:実験の正当性の証明」は順調に行えた。 平成25年度の研究計画である「あらゆる形態の乳房の3次元CGモデルの作成」のための効率的な手法が、2012年5月のアルバータ大学出張における調査により判明した。 「FreeFormPlus」と「Materialize MIS base」を前倒し支払い請求の承認により新たに導入できたことにより、「あらゆる形態の乳房の3次元CGモデルの作成」を本年度から開始することができた。その結果、「実写評価と3次元CGモデル評価の対比」における3次元CGモデルの作成も大幅に効率化することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究実施計画 複数の患者の乳房をレーザースキャナで計測し、3次元形状点群データを得る。CTからも「Materialize MIS base」を用いて3次元モデルデータを得る。これらより、リアルな3次元CGモデルを作成する。人体の3次元形状データ量は膨大なため、一般的な3次元CGソフトウェアで扱うことは困難である。そのため、ソフトウェア「FreeformPLUS」を用いて複雑な形状データを3次元CGソフトウェアで扱うことを可能にする。肌や乳頭はテクスチャ画像として3次元CGモデル上に配置し、リアルな表現を行う。このようなプロセスを経て、複数の患者データからパターンモデルの基になるベースモデルを数種類ほど作成する。また、「FreeformPLUS」を用いてそれらを変形させる。それにより、乳房の多様性を反映させた乳房形態パターンモデルを50種類以上作成する。 平成26年度の研究実施計画 乳房形態パターンモデルごとに移植皮膚パッチや手術痕を「FreeformPLUS」を用いて描画し、手術後のイメージを3次元CGモデルとして表示する。リアルな人体3 次元CG モデルは、ポリゴン数が多いため、モデルの表面に手術痕の様な複雑な描画を行うことは困難である。単なる線の描画ではリアルさに欠けるため、実際の手術痕の写真からテクスチャ画像を作成し、細かく貼り付ける必要がある。実用可能な貼り付け手法や定型的な描画作業を効率的に行うための手法の開発も行う。手術後をイメージした乳房の3次元CGモデルの審美的評価を、複数の回答者にVASスコアを用いて評価してもらう。普遍的な審美感による評価を行うため、回答者の性別、年齢に偏りがないように留意する。アンケート調査の解析結果を基に、乳房形態のパターンごとに、乳房再建手術のデザインのためのガイドラインを構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
連携研究者である慶應義塾大学医学部形成外科学教室の永竿智久氏と協議した結果、より多くの患者の乳房の3次元形状データを収集するために、レーザースキャナ以外にCT画像から得る必要性が生じている。 平成24年度の前倒し支払い請求の承認により、CT画像からの3次元形状作成のために「Materialize MIS base」を導入したが、大量のデータ処理には機能と精度が不十分であった。そのため、CT画像からの3次元形状の精度をより向上させるためのソフトウェアの導入を行う。
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Research Products
(4 results)