2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24603026
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
牟田 淳 東京工芸大学, 芸術学部, 准教授 (20341969)
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Keywords | 黄金比 / 形の持つ印象 / 美しい顔 |
Research Abstract |
2013年度は主に、黄金比を含むさまざまな縦横比の四角形に対して人々がどのような印象を抱くかについての国際比較研究を2012年度に引き続き行った。日本人および欧米人(アメリカ人・イギリス人)それぞれ約1000人に対し、どのような縦横比の四角形をバランスの良い、美しい、好き、かわいい、かっこいい、大人っぽい、子供っぽい、親しみやすいと感じるかなどの調査を行った。四角形の向きは鉛直向き、水平向きについて行った。ただし、アンケート調査それ自身は2012年度までに行ったものであり、本年度は主にこれらの調査結果を論文や書籍に発表した。 それらのアンケート結果をまとめたところ、日本人と欧米人では結果が大きく異なる場合があることがわかった。例えば欧米人は黄金比率の四角形を美しい、バランスの良いと感じるケースがもっとも多かったのに対し、日本人にはそのような黄金比嗜好の傾向はまったく見られず、正方形に近い四角形が好まれることがわかった。つまり、民族によって美などの印象は大きく変化することがわかった。その一方で欧米人、日本人ともに正方形に近い形をかわいいと感じることがわかった。 これらの結果を論文にまとめた(印刷中)。また、広く社会に還元するため、以上の結果の一部(欧米、日本で美意識が異なる調査結果)を市販の書籍で発表した。 四角形の応用例として、顔についても研究を行なった。本年度は1000人規模のアンケート調査を解析したが、顔についてもアンケート調査それ自身は2012年度までに行ったものであり、本年度はこれらの調査結果の一部を解析して発表を行った。顔の持つさまざまな印象の関係を調べたところ、子供っぽい印象と可愛い印象には強い相関があり、子供っぽい印象は可愛い印象にプラスに働くことがわかった。その一方で子供っぽい印象は美しい顔の印象にはマイナスに働くこともわかった、これらの結果を市販の書籍に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2013年12月末に右腕を骨折し、その後1月上旬に入院手術を行った。きき腕である右腕を骨折したため、腕があまり曲がらない状態で当初は右手での食事等の日常生活も困難な程であり、執筆・研究等の作業がしばらく困難となった。2014年5月現在は毎日リハビリしてある程度執筆・研究ができているが、元に戻るのは手術後半年―1年程度の見込みである(ただし、埋め込んだボルトを除去するための再手術がある予定)。そのため、2013年12月末以降の研究が大きく遅れている。本年度はきちんと腕を直し、研究に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は四角形以外の形の要素についても印象の研究を行いたい。例えば大人っぽい、子供っぽい、可愛いなどは形の大きさがこれらの印象に影響をあたえるかも知れず、サイズと印象の関係も明らかにしたい。また、同じ縦横比でも楕円と長方形では楕円のほうが細長く見える傾向がある可能性があり、どの程度正方形と楕円で異なるかなど形状による印象の違いも調べたい。 以上の研究結果を顔やキャラクターに対して適用を検討し、顔やキャラクターの形の持つ印象をさらに詳しく調査したい。例えば小さな顔は本当に子供っぽく可愛く見えるのかなどを調査したい。また、顔の印象は表情が重要な要素であると考えられる。そこで写真、漫画などを参考に可愛い顔、美しい顔の要素などを系統的に明らかにしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
12月に右腕を骨折入院し、その後2013年度内は研究を遂行できるほどには右腕が回復していなかったため。 アンケート調査費 200万円 旅費 20万円 物品費 8万円
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Research Products
(3 results)