2013 Fiscal Year Research-status Report
土壌特性の解析による地雷検知センサ性能評価とその応用
Project/Area Number |
24612001
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 一徳 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (60431475)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 源之 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40178778)
|
Keywords | 地中レーダ / 地雷検知 / 不均質土壌 / 土壌特性 |
Research Abstract |
当該年度では、不均質土壌の統計的特性とその地中レーダへの影響について、さらに詳細な考察を行った。前年度までは、不均質土壌をモデル化し、それによる散乱の大きさを異なる土壌へ適用した結果についての考察を行っていた。モデル計算による電波の散乱量と実際に観察された散乱量を比較することにより、モデルの適用性を評価できた。そこで、平均比誘電率・比誘電率の変動量・比誘電率の相関長を変化させながら様々な土壌不均質特性に適用し、変動量と相関長のうちどちらの分布特性がどのくらい電波の散乱に寄与しているのかについて評価を行った。その結果、ほとんどの場合において誘電率の変動量が大きく寄与するが、観測している電波の波長が土壌不均質の相関長の整数倍となるときに、相関長すなわち空間分布のスケールの寄与が大きくなることを示した。散乱量に対して変動量と相関長は複雑に関係しているため、どちらか一方の特性のみの比較による不均質土壌の地中レーダ性能に対する評価は難しく、よって本研究課題で提案しているモデル化した散乱量による評価法が有効であることを示した。 上記に加え、土壌特性を高精度に推定するために、既存の同軸管法を改良した測定法およびそのデータ解析の理論検討を行った。また、前年度に引き続き、コモン・ミッド・ポイント(CMP)測定法でのデータ解析手法の開発、および地上設置型合成開口レーダ(GB-SAR)における基本性能の検討・評価を行った。 地中レーダ特性と不均質土壌評価法について地雷検知に関する部分は、クロアチアで行われた地雷除去技術の国際会議に参加し、研究成果の発表および最新技術や動向についての情報収集を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目標である地中レーダ性能の推定法に関しては、定量的な評価ができる見込みがついており、さらに土壌不均質特性と電波散乱の関係に関する考察も行ったことで、この点に関しては当初の目標をほぼ達成したといえる。土壌特性の測定法についてはさらに研究を進める必要があり、次年度で重点的に実施する。
|
Strategy for Future Research Activity |
土壌特性の測定法開発に関しては、まだ課題が残っており、この点について重点的に研究を行う。また、これまで行ってきた土壌による電波散乱モデリングもその実証のための実験および解析を継続する。 これら研究結果については、国際会議などで国連や各国地雷除去センターへの情報発信を積極的に行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入を計画していた土壌誘電率測定装置よりも安価で同等の性能の製品が見つかり、その製品を購入したため。 測定に必要な高周波部品等や消耗品の購入、また研究成果を広く公開するための会議の参加費等に充てる。
|
Research Products
(37 results)