2013 Fiscal Year Annual Research Report
他者の存在を知覚するメカニズムの解明ー聴覚と触覚のインタラクションー
Project/Area Number |
24650059
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小林 まおり 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90451632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 渉 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30509089)
大谷 真 信州大学, 工学部, 准教授 (40433198)
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Keywords | 聴触覚相互作用 / 聴覚ディスプレイ / 実在感 / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
昨年度では,触覚刺激と独立して聴覚刺激を3次元空間上に操作できる聴覚ディスプレイを開発し,触覚刺激が聴覚に及ぼす影響について検討した。今年度は引き続き開発した聴覚ディスプレイを用いて,触覚刺激がもたらす影響について検証した。昨年度行った実験結果を鑑み,本年度ではデバイスとして扇風機を用いて触覚刺激を呈示し,触覚刺激が音の実在感や距離感に影響するか心理実験を行って検討した。その際,従来の研究では異種モダリティの相互作用には各刺激の呈示位置の空間一致性が重要であることから,実験では触覚刺激と聴覚刺激の空間一致性を操作した。また聴触覚相互作用については身体からの距離によって変化することから,音刺激の距離も操作した。加えて,音刺激として音の種類として人工的な音と有機的な音を用いた。実験の結果,触覚刺激を呈示することで(1)音の距離定位精度が高くなる,(2)音の呈示位置までの距離が近い場合には,音の実在感が高まることがわかった。ただし,(3)音の種類による効果の違いも認められた。これらのことから,触覚刺激を呈示することで,ヘッドホンを用いた音のバーチャルリアリティシステムにおいても,人の実在感を高めることができる可能性が示された。ただし,音の種類による効果の違いが認められたことから,音の種類を増やすなどして効果の普遍性について検討するとともに,相互作用が生じたメカニズムについても詳細に検討する必要がある。
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Research Products
(5 results)