2012 Fiscal Year Research-status Report
脳内免疫細胞ミクログリアを介した人間の社会的意志決定プロセスの解明
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24650227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 隆弘 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 特任助教 (70546465)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミクログリア / ミノサイクリン / 社会的意志決定 / 信頼ゲーム / 発達 / 性格 / 不安 / 精神疾患 |
Research Abstract |
健常者男性を対照として実施した予備研究(Watabe et al. Psychopharmacology 2012)で得られた知見を元に、「普段の社会的意志決定プロセスではミクログリアが無意識的なノイズ(雑念)を発生させており、そのノイズにより行動にぶれ(ズレ)が生じるが、ミクログリアを制御することにより、ノイズの発生が減弱しストレートに行動できるようになる」という仮説を解明するために、ノイズの原因として、不安、性格・気質を想定し、新たに献上男性被験者100名に対して信頼ゲームを実施し、その前後で、STAI(不安尺度)、TCI(性格・気質尺度)などの自記式調査を実施した。RCTによるプラセボ群では、性格傾向、特に、協調性に信頼ゲームの結果が影響されていたのに対して、ミノサイクリン群ではその影響がなくなっていた。つまり、ノイズの原因として、協調性という性格傾向を同定した。本結果は、ミクログリアが発達における性格形成に重要な役割を果たしているかもしれないという新しい仮説を呈示することになり、国際学術誌に掲載された(Kato et al. PLoS ONE 2012)。今後、本機序のさらなる解明を進めてゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに平成24年度の課題目標は達成し、学術誌(Kato et al. PLoS ONE 2012)としても発表することが出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、社会的意志決定におけるさらなるノイズの同定とそのミクログリアの関与を解明してゆく。具体的には、意志決定ゲームの相手を変えたり、画像データとの相関を計る実験を推進してゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
被験者への謝金を中心として、実験における消耗品購入や成果発表のための学会出張旅費として使用する。
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