2012 Fiscal Year Research-status Report
小鳥のように鳴くマウス変異体を利用した新しい実験動物モデル
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24650235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内村 有邦 大阪大学, 生命機能研究科, 特任助教(常勤) (20513063)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モデル動物 / 音声コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究では、これまでに私たちが構築した新しい変異マウス作製系(DNAポリメラーゼdelta改変マウスを利用した新規ミュータジェネシス)によって作出された「ヒト可聴音域で小鳥のように鳴くマウス変異体(sng変異体)」を利用して、新しい「音声コミュニケーションの実験動物モデル」の構築に取り組む。 平成24年度は、sng変異体の発声行動が個体間コミュニケーションで用いられる機能的な役割を明らかにするため、音声を利用した行動実験に取り組んだ。3種類の音刺激(sngマウスの鳴き声、人工音、録音時のノイズ)を用いて、スピーカーを内蔵した3チャンバー実験箱を用いた解析を行ったところ、sngマウスの鳴き声が発されたときだけ、試験されたマウスの探索行動が亢進することが分かった。このことから、sng変異体が発する音声は、周囲の個体の行動に影響を与える作用を持つことが明らかとなり、個体間コミュニケーションにおいて役割を担っている可能性が示唆された。 平成24年度は、sng変異体が示す発声行動を生み出すに至った生理学的基盤についても解析を行った。喉や口腔など発声器官の構造や、関連する筋肉についての解析を行った。また、sng変異体で同定された原因遺伝子変異と考えられる変異を持つ遺伝子ターゲティングマウスの作製にも取り組み、実際にマウスの作出に成功した。 これらの研究成果については、近いうちに国際的な学術誌にて発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、行動実験による発声行動の機能解析と発声行動を引き起こした生理学的な基盤の解明を進める予定で研究計画が組まれていた。実際に、行動実験により、sng変異体が発する音声に機能的な役割を持つ可能性を示すことができた。また、生理学的な基盤の解明も順調に進行していることから、おおむね予定通りに計画が進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度からは、当初の計画通り、sng変異体と精神疾患との関わりなどについて解析を進めることで、疾患モデル動物としての有用性の有無について検討を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。特に平成25年度は新たに薬剤等を購入する費用が必要になる。研究費は、より多くの条件を検討するために適正に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)