2013 Fiscal Year Research-status Report
立位股関節回旋角度並びに荷重動揺軌跡測定による運動技能評価システムの確立
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24650394
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
竹内 京子 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (20531388)
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Keywords | 股関節 / 回旋角度 / 測定評価 / 重心動揺 / 荷重動揺 / 開脚角度 / 運動能評価 / 姿勢制御 |
Research Abstract |
本研究の2つの目的に沿い研究活動に従事した。 第一の研究目的である本測定法のPRを兼ねたデータ収集活動では、可能な限り運動現場に出向きデータ収集に努めた。同時に、運動指導者を対象とした介護予防・ロコモ予防・運動障害予防等の研修会や講習会では回旋運動を意識する機能解剖学的な啓発教育実施し、股関節回旋運動能の確保、回旋角度の自動測定の有用性を広める講義を行った。またスノーボードスロープスタイル選手が股関節回旋角度付き荷重動揺計を帯同しソチオリンピックに出場したのは本測定法を世に広めるという目的にとっては大きな成果の一つである。 第二の研究目的である評価法の確立に運動錬度や技能の高いトップアスリートを対象としたデータ収集が必要不可欠となったため、現在、女子柔道、スノーボード(スロープスタイル)および射的種目(ライフル、ピストル、アーチェリー)のオリンピック出場あるいは候補選手の協力を得て解析データの充実に努めている。 研究成果は主に学会で公表し、関連研究も含め研究者本人の発表は4題、連携研究者、協力者などの共同研究者の発表9題の計14題を発表した。人類働態学会では、開脚幅が骨盤・股関節運動に及ぼす影響の観察を行い、体力医学会では荷重動揺軌跡の左右差から体重支持脚と非支持脚という機能分化を明らかにした。武道学会では、共同研究者として柔道選手の荷重動揺特性について報告し、人類学会では、射的競技選手の特性や一側優位性について論じた。柔道整復接骨医学会では、骨盤動作の安定性に関わる知見を共同研究者として考察し、解剖学会では、ヒラメ筋の肉眼解剖学的知見から、ヒトの姿勢制御や歩行姿勢に関わる重要な下肢の筋についての再検討を加えた。 論文発表は関連基礎研究の共同研究者として3編公表した。うち一編は手の運動器障害に関する内容であるが、これは下肢の動作に影響する基礎的な資料となる論文である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の第一の目的達成に関して、連携研究者は協力者からの協力を得て、運動選手を中心に様々な人々から基礎データの収集が得られたことや様々な講習会・研修会における講演の機会を得たことは、十分に満足のいくものであり、共同研究者としての発表の機会が増え、立位股関節回旋角度測定法を動的運動能の評価としてのPRに寄与しており十分に満足のゆく結果が得られていると考えられる。 第二の目的である運動技能の評価法に関する研究でも、姿勢保持のための代償姿勢の解析において、柔道・スノーボード・射撃種目の国際級のトップアスリートから協力を得る事ができ、一般人のデータと比較可能となったことは十分に満足できるものである。 しかしながら、整形外科・リハビリテーション領域など、運動機能評価を求められる人々からの立位股関節回旋角度データ収集開始が遅れたため、運動障害の影響観察を十分に行えなかったこと、ならびに、研究者が筆頭発表者となる論文作成にまでは至らなかったことから、今年度の自己評価は、概ね順調に進展という評価とした。 医療関係でのデータ収拾開始が遅れた理由は、研究費による回旋角度測定器の手当が遅れたためである。現在は、帝京池袋接骨院の協力を得て26年度でのデータ収集に向けて準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も引き続き、データ収集に努め、本測定法の普及に努めるとともに、トップアスリートと一般人のデータの比較解析から、運動種目特性、姿勢保持の代償動作に関する解析を進め、順次学会発表や論文等で成果を公表していく予定である。 また、平成24年度および25年度で不十分な成果であった課題である測定環境の違いの検討を行う。また、運動器障害・外傷経験者と未経験者のデータを比較することで、過去あるいは現在の運動器障害が姿勢制御力に及ぼす影響が回旋運動時の荷重動揺軌跡や股関節回旋角度どのように表れてくるかについても検討をおこない、回旋角度測定法並びに荷重動揺軌跡による身体運動技能の評価法を確立させる予定である。 研究成果の発表は、今まで同様、人類働態学会、日本体力医学会、日本人類学会、日本柔道整復接骨医学会、埼玉県体育学会の何れかにて順次発表する予定である。また、人類働態学会英文誌あるいは海外の雑誌と(投稿先未定)の何れかに投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度単年度分としては収支のバランスが取れているが、平成24年度からの繰り越し分(人件費および出張旅費等の未執行分)の約8割がそのまま繰り越しされたのが、平成26年度使用額が生じた理由である。 平成26年度補助者雇用費が予算上で不足が見込まれるので、その費目に充当する予定である。
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Research Products
(18 results)